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バベル (2006)

BABEL

監督
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
  • みたいムービー 1.0万
  • みたログ 1.7万

2.93 / 評価:3955件

映画ファンにはお勧めします・長文

  • akanaratomare さん
  • 2007年5月3日 10時22分
  • 閲覧数 923
  • 役立ち度 118
    • 総合評価
    • ★★★★★

ヒューマン系の映画が好きな映画ファンには絶対お勧めします。
間違いなく傑作です。別に難解でもありませんし。
監督の過去の作品に比べれば、見やすい作品ですが、「エンターテイメント」だけを映画に求める方にはお勧めしません。
あと、あまりヒューマン系の映画を好まない方、また映画自体あまり見ない方にもお勧めしません。
でもかなりのポテンシャルを持った作品なので、あまり映画を見ない方でも興味があれば見て欲しいなぁ。映画にはまる切欠になり得ると思うので…。

正直「アモーレス・ペロス」「21グラム」と見て、すごく良いと思ったんですが、「バベル」も同様に複数の話が交錯すると聞いて、「21グラム」で完成されたと思ったのに、また同じ事するの?と全然期待していませんでした。
さすがに3作目では、あの手法に飽きるんじゃないかと。「自動車事故」を「発砲事件」に変えただけだたら酷評してやろうと重いながら鑑賞しに行きました。
でもこちらの予想の斜め上をかっとんで行く、素晴らしい出来でした。
となりのおじさんが鼻をすすっていたので、私も遠慮なく泣きました。
エンドロールが短く感じるほど、余韻に浸りました。

悪意がないのに起こる悲劇、伝わらない心。

この映画は最後に監督からのメッセージがあるので、それでテーマ自体もとても分かり易くなっているのではと思います。
確かに重い映画ですが、決してそれだけではありません。
前面に出てこなくて分かりにくいですが、悲劇や不条理の中でも絶えてしまわなかった希望を感じて欲しいです。そこかしこに散りばめられています。

☆以下少しネタバレ含みます☆
とても語りきれる内容ではないので、各パートで一番キタところだけ。

アメリカ人夫婦
子供のことで無意識に妻を責めていた夫。
子供の話を聞きながら、電話で受話器を逆さにして嗚咽するブラピに涙しました。子供の安否は気になりますが、この家族が一番分かりやすいハッピーエンドではないでしょうか。

メキシコの家政婦
ガエルくんの使い方がもったいないなぁ!と少し思いましたが。
家政婦の「私は悪い人間じゃない。愚かな事をしてしまっただけ」の台詞にぼろぼろ泣いてしまいました。
アメリカの子供は失ってしまったけど、メキシコで息子と幸せに暮らして欲しいです。

モロッコの家族
お兄ちゃんが気になります…助かったと思いたい。
発見次第、有無を言わさず銃撃する警察官。相手を人間だと思っていないようでぞっとしました。
兄を打たれて銃を取る弟。でも、銃による反撃はより悪い状況を招くだけでした。
銃を破壊し、自分の身を呈して兄を助けてと泣く弟に涙が止まりませんでした。止まる警官の銃撃。
サングラスをかけてロボコップのようだった警官が、そんな弟を見てサングラスを外しましたが、優しい目をしていました。
このモロッコの家族のシークエンスは、一番強烈なメッセージを持っていましたね。

最後に日本の家族。
日本の中でも裕福な家庭で、やたら良い眺望を強調するようなシーンがあるなぁと思いましたが、ラストの映像で納得。
この高層マンションがバベルの塔を象徴してました。
孤独や寂しさを埋める表現方法を間違えることで、チエコはどんどん孤独で寂しくなっていきます。
刑事の前ではじかれた様に泣きだしたチエコに涙しました。
最後に渡した手紙は遺書だったと思います。あのベランダから飛ぶのは母親ではなく自分だと。
チエコが飛び降りる前に父親が帰ってきてくれて本当によかった。
最後の父娘の抱擁から、カメラが引いてバベルの塔が映し出される映像は鳥肌が立ちました。

日本のシークエンスは不必要だと書かれている方もいましたが、日本のシークエンスではたびたびニュースの映像が出てきます。
平和な日本では、人々は食事をしながら、部屋でくつろぎながら何気なくそのニュースを見ています。チエコも特に関心もなく、犯人が捕まったというニュースの途中でチャンネルを変えます。これらはとても重要なシーンではないでしょうか。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 切ない
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