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麦の穂をゆらす風 (2006)

THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY

監督
ケン・ローチ
  • みたいムービー 487
  • みたログ 1,484

4.12 / 評価:422件

勝手なコトを長々と

  • nom******** さん
  • 2008年12月28日 1時40分
  • 閲覧数 191
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

私はこの映画を否定する。

この映画を否定することで、この映画の意味が見出せた。

自由のために、かたくなな信念のために人を殺す。
生を受け、自らの全てを育んだ愛する祖国を守る為に。

そんな生き様に心を打たれるかもしれない、
しかし、愛すべき者を殺してでも、勝ち取らなければならないもの
それは一体何なのだろう?

現在、温和に暮らしている人間には到底理解できない。
餓死者が出るほどの貧困、富裕層への憧れとねたみ、
そんな生活からの閉塞感と絶望。

そして、不満をぶつけることのできる完全な悪の登場。
理不尽な死と悲しみをもたらす外敵。
わずかな希望を奪い去った者たち。

憎しみは勇気に化け、怒りは信念へと変貌する。
それらはいつしか狂気の渦を作り、悲しみの連鎖を作り出す。

それでいいのか?
この主人公のようになっていいのか?
あの兄のようになっていいのか?
愛すべき者をことごとく失ってゆく彼女のようになっていいのか?

その答えは、私には分からない。
ただ、この物語に出てくる人物には、誰一人共感できない。
共感してしまうことが恐ろしい。

死んだものは決して笑わない、どんなに涙を流そうとも。

この映画の主要な人物は皆、若い。
血気盛んな未熟者たち。
長く生きたケン・ローチだから撮れたのかもしれない。

描かれている、テーマは面白い。

でも、一つのパッケージされた作品としては
さほど完成度が高いようには思わない。
次々に出てくる登場人物は、みな表面しか描かれず。
IRAの歴史を説明しているようで味気ない。

もっと各登場人物の内面をえぐり出して欲しかった。
もっと葛藤を見せて欲しかった、観客の想像に任せず
映像として、もっとガツンと見せて欲しかった。
それだけの内容を持っているのだから。

余談・・・
この映画を、ジョージ・ブッシュに見せたら
「そうそう、この愛国心だよ。我々に必要なものは!」
って言うんだろうな。
そりゃ靴投げられるわ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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