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麦の穂をゆらす風 (2006)

THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY

監督
ケン・ローチ
  • みたいムービー 487
  • みたログ 1,481

4.12 / 評価:421件

細部にわたりよく練られた脚本

  • A☆画太郎 さん
  • 2009年9月28日 15時14分
  • 閲覧数 264
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

まず、感じたのはアイルランド独立運動を中心になって
支えているテディが主人公のデミアンの兄貴であることを
しばし伏せているところのうまさでした。

前半、一番衝撃的である「爪はがし」の拷問のシーンにおいて
真に命をかけて戦っている男とその周辺を見せられることによって
映画を観ている方としては、この男を重心に、この映画を、
把握させられることになります。
そして、その拷問シーンの直後に、主人公が、
この「拷問を受けた男」の弟であることを知らされることによって
「独立運動」というものに我々(観客)も内面的に対峙させられる
わけで、そこのところの「共感」のさせ方が凄いと感じました。

また、主人公(デミアン)が裏切り者のクリスを殺害した後、
すぐに主人公の心の葛藤を見せるのではなく
あいだにテディ派とダン(列車の運転士)派の内紛をはさみ、
その後に、森の中でシネードに「一線を越えてしまった。。。」と
その内面を吐露させるというドラマ作りも非常に良かったです。
(ここがうまくいっているから、ラスト、主人公が
銃殺を甘んじて受けることにも納得させられます。)

他に、イギリス軍の応援隊を襲撃するシーンにおいては
襲撃した後、本当の戦(いくさ)に動揺する仲間たちを
「ジタバタするな俺たちは兵士なんだからこんなことで
オロオロしちゃいかん。。。」とばかりに必死になって整列させ、
この戦いの意義を言って聞かせるところも
軍隊でなく、いわゆる普通のひと達がオタつきながらも
武器を持って戦っている様子がうまく描写されていたように思います。
(その後、民家でシネードらがリンチされているのを目撃し、
一同動揺するシーンも然り。)

ラスト、デミアンの訃報を知らされたシネードが
「もう二度と私の前に現れないで。。。」とセリフを吐きます。
で、このセリフは、かつて、デミアンが裏切り者のクリスを殺害した後
クリスの母に言われたセリフと同じでありますが
こういうところも、
同胞の絆がいたるところで寸断されたこのアイルランドの悲劇を
うまく表現していて、「細部にわたりよく練られた脚本だな。」と
感服しました。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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