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麦の穂をゆらす風 (2006)

THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY

監督
ケン・ローチ
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4.12 / 評価:421件

アイルランド闘争の歴史

  • どすこてぃぬ さん
  • 2010年1月11日 20時46分
  • 閲覧数 301
  • 役立ち度 19
    • 総合評価
    • ★★★★★

いや~・・・重いですな。
本日見ましたが、未だ気持ちの整理がつきませぬ。


欧州の歴史は、日本人が思っている以上に複雑。
古代ローマやギリシャ文明に始まって、ありとあらゆる国家、
帝国が興っては征服と衰退を繰り返していく。
アイルランドもたぶんにこの欧州史から漏れず、複雑な歴史と事情を孕んでいる。
特にその地政学的な要素から、長く大英帝国の統治が続いていた。
本作は第一次世界大戦を切っ掛けに、アイルランドの独立気運が
一気に高まった時代を背景に、物語が始まる。


主人公の"デミアン"(キリアン・マーフィー)は、ロンドンで医師となるべく
将来を約束された「インテリ」アイルランド人。
しかし、同胞であるアイルランドの人々が、大英帝国軍兵士から受ける
数々の暴力に耐えきれなくなり、兄である"テディ"とともに独立闘争に
踏み込むことになる。


ここでは、大英帝国軍の暴虐武人、圧政ぶりが包み隠さず映像化されており、
普段、見慣れている「ハリウッド映画」ではお目にかかれない描写になっている。
なにしろこういう役は、「ナチスドイツ」か「旧日本軍」が努めさせられるのが、
デフォだからね。
ただ、「ワールド・オブ・ライズ」並の拷問シーンも若干出てくるので、
免疫無い人は注意。


さて、本作前半は大英帝国相手にゲリラ戦を挑む「アイルランド義勇軍」と
義勇軍に身を投じたデミアン・テディ兄弟の闘争を描く。
そして後半は、大英帝国とアイルランドが停戦協定を結んだあと、
あくまで完全独立を目指す「ナショナリスト」と、
大英帝国との共存を望む「ユニオニスト」との、
アイルランド同胞同士(!)の闘争となる。
このアイルランド同胞の分裂は、すなわち兄弟の分裂をも意味していた。


・・・あとは涙、涙ですな・・・。


もちろん昨今のIRA活動によるテロ行為は許される物ではないが、
過去にこのような闘争の歴史があったことを知り、我々日本人が横から
善だ悪だと軽々しくは口に出せない雰囲気を、本作は持っている。

詳細評価

物語
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音楽

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