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麦の穂をゆらす風
2006年11月18日公開

麦の穂をゆらす風

THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY

1262006年11月18日公開

mil********

4.0

ネタバレ義理と人情、戦争がなくならない理由?

すべてを奪い、破壊するもっとも非人道的な戦争や紛争がなぜなくならないのか? どうして隣人や友人や家族までをも殺し合うことができるのか? 見終わったあとにその理由のひとつが分かったような気になる映画だった。 ”義理と人情”。昭和の夕暮れどきに生まれたわたしにとっていわゆるヤクザ映画を彷彿させる言葉だ。 ヤクザと戦争をくらべちゃいけないけど、結局一緒なのかもしれない。 決してなくならない絶対悪。 人は人情という正義で燃え立ち上がり、 義理の名においてどんな恐ろしい行為でも正当化してやり仰せてしまう。 逆にどんな恐怖をも耐えられるのもしかり。 偶然にも前日に観たビフォア・ザ・レインは逆の視点で愚かにして止められない戦争を描いた映画だった。 義理人情が芽生える前に故郷を飛び出て世界を渡り歩いた主人公のカメラマンは、 故郷の紛争を客観的に感じることができていた。 自らは憎しみ合いに巻き込まれることができず、悲劇という名の雨が降り出す前にそれを回避しようとするのだ。 「麦の穂をゆらす風」では故郷を飛びでようと、逃げようとしていた主人公が英国軍の蛮行を目の当たりにしたことでこのやっかいな義理人情に巻き込まれ、最終的に“戻れない”ところまでいってしまう。 もしあの列車に主人公が乗っていたなら。。。

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