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麦の穂をゆらす風 (2006)

THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY

監督
ケン・ローチ
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4.12 / 評価:420件

解説

イギリスの名匠ケン・ローチによる、カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた人間ドラマ。20世紀初頭のアイルランド独立戦争とその後の内戦で、きずなを引き裂かれる兄弟と周囲の人々の姿を描く。主演は『プルートで朝食を』のキリアン・マーフィが務め、戦いの非情さに心を痛めながらも祖国の自由を願う青年を熱演。アイルランド伝統歌の名曲「麦の穂をゆらす風」にのせてつづられる、歴史と運命に翻ろうされた人々の悲劇が胸に迫る。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1920年アイルランド、英国による圧政からの独立を求める若者たちが義勇軍を結成する。医師を志すデミアン(キリアン・マーフィ)も将来を捨て、過酷な戦いに身を投じていく。激しいゲリラ戦は英国軍を苦しめ停戦、講和条約にこぎつけるものの、条約の内容をめぐる支持派と反対派の対立から同胞同志が戦う内戦へと発展する。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

「麦の穂をゆらす風」ケン・ローチが突きつける、依然としてリアルな真実

 一貫して“弱者”の立場から社会性の濃厚な主題を取り上げ、刺激的な映画を撮り続けてきたイギリス映画界の重鎮ケン・ローチ監督。1920年代初めのアイルランド独立戦争をめぐる最新作は、本年度のカンヌ国際映画祭で最高賞(パルムドール)に輝いたこともあり、彼の代表作の一本に数えられることになるだろう。

 イギリスによる圧政からの解放と独立を目指すアイルランドの若者たちの闘争を軸に物語は進むが、老獪なイギリスの分断政策が事態をさらに陰惨なものにする。これは本作の力強さゆえでもあるが、この映画を僕らと無縁な遠いどこかでの出来事として見ることなんてできない。たとえば、イラクに派兵したアメリカと本作でのイギリスを重ねあわせてみること……。ただし、女性の役割を大きくするなどして静謐な叙情性もたたえるこの映画は、同時にある青春の終わりを描くものでもある。皆が思いを一つに巨大な敵に挑むとき、苛酷な戦いであっても若者たちの表情は誇りに満ちている。だけどその後、かつての仲間同士が銃を向け合う内戦が開始されたとき、青春の輝きが消滅し、救い難い重苦しさや悲しみが画面を支配するのだ。暴力による解決はさらなる暴力の応酬に陥るほかない……。この映画が突きつける真実は、残念ながら僕らにとって依然としてリアルなままだ。(北小路隆志)

映画.com(外部リンク)

2006年11月16日 更新

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