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犬神家の一族 (2006)

監督
市川崑
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2.97 / 評価:829件

解説

横溝正史の名作探偵推理小説『犬神家の一族』を、1976年に監督を務めた市川崑がリメイクした心理サスペンス。同作から多大な影響を受けたジャパニーズ・ホラーの仕掛け人こと一瀬隆重プロデューサーが、オリジナル版の名コンビである監督と主演の石坂浩二とともに、犬神家一族の血の系譜をめぐる謎に迫る。ヒロイン役の松嶋菜々子をはじめ、尾上菊之助、富司純子、松坂慶子らオールスターキャストの競演も見もの。

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あらすじ

信州の犬神財閥の創始者である犬神佐兵衛(仲代達矢)は、腹違いの3人の娘とその息子たち、佐兵衛の大恩人の孫娘、野々宮珠世(松嶋菜々子)らを残してこの世を去る。巨額の遺産が一族の争いの元凶となることを予期した法律事務所の若林は金田一耕助(石坂浩二)に調査を依頼するが、ほどなく一族間で次々と殺人事件が発生する。

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映画レポート

(C) 2006 「犬神家の一族」製作委員会
(C) 2006 「犬神家の一族」製作委員会

「犬神家の一族」市川崑監督による、新しい観客に向けての挑戦状

 懐かしのテーマ曲にのって「犬神家の一族」が帰ってくる……。76年に公開されたオリジナル版は、その後日本映画界に旋風を巻き起こす“角川映画”の第一弾として大ヒット、“探偵・金田一耕助もの”が市川崑監督の手でシリーズ化されたことはよく知られている。といっても、昔のオリジナル版を知る人にしか本作を楽しめない、というわけじゃない。驚くほど前回のタッチを尊重し継承した今回の映画化は、むしろ前回の映画化を体験し損なった新しい観客に向けて、自信を持って再びあの「犬神家の一族」をそのまま見てもらおう……との挑戦状であると僕らの目に映る。いずれにしても、敗戦直後の日本を舞台に血縁や因習の強固さと脆弱さを背景とした暴力を描く本作を前に、最近流行りの昭和レトロ気分に浸る余裕など僕らに残されていない。

 たとえば、デビッド・フィンチャー監督の「セブン」が公開されたとき、大騒ぎする世間を尻目に僕らは、この手の映画なら市川崑による金田一シリーズで体験済みである……と奇妙な既視感と共にうそぶくことができた。おどろおどろしい設定とペダンチックな文学趣味で彩られた連続殺人を完成度の高い画面で、しかも強靭な娯楽志向を土台に据えてつづる市川美学が、若い観客にどんな反応を呼び起こすのだろう? 最後に、今回の「犬神家の一族」を楽しむ上で最良のガイドにして予告編として、現在公開中の岩井俊二監督の「市川崑物語」があると付け加えておこう。(北小路隆志)

映画.com(外部リンク)

2006年12月14日 更新

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