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スキャナー・ダークリー (2006)

A SCANNER DARKLY

監督
リチャード・リンクレイター
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3.11 / 評価:188件

解説

SF作家フィリップ・K・ディックのベストセラー小説を『スクール・オブ・ロック』のリチャード・リンクレイターが映画化。ドラッグに汚染されきった近未来のアメリカを舞台に、自身もドラッグにおぼれる覆面麻薬捜査官の現実と妄想が入り混じる旅が描かれる。主演は『イルマーレ』のキアヌ・リーヴス。リンクレイターの過去作『ウェイキング・ライフ』でも見られた、実写映像にデジタル・ペインティングを施す刺激的なアニメ映像が見どころ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

アメリカのカリフォルニア州オレンジ郡郊外、覆面麻薬捜査官のボブ・アークター(キアヌ・リーヴス)は、終わることのない不毛な麻薬戦争を繰り広げていた。自分もドラッグ中毒であるにも関わらず、ドラッグ仲間のジム・バリス(ロバート・ダウニーJr.)らの監視を行っていたが、ある日、上司から自分自身に対する監視せよとの不可解な指令を受け……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2006 Warner Bros. Entertainment Inc.
(C)2006 Warner Bros. Entertainment Inc.

「スキャナー・ダークリー」ディック小説の真髄を映像化した初めての作品

 これまでのフィリップ・K・ディック原作の映画化作が目指したのは、原作の真髄の映像化ではなく、原作のSF的発想と小道具を使って独自の物語を描くことだった。「ブレードランナー」も例外ではない。が、初めてディック小説の真髄を映像化しようとする映画が登場、しかもそれに成功してくれた。

 70年代初頭、ディックは鬱病が悪化して覚醒剤を常用、妻にも去られ、自宅は若いドラッグ常用者達のたまり場になるが彼らは次々に麻薬に倒れる。ディックが死んだ彼らに捧げて書いたのがこの原作。麻薬の囮捜査官は自分自身を捜査する指令を受けて自己崩壊していく。彼を利用するのは敵だけではない。

 現実と監視機に映る映像のどちらが真実なのか判別不能な世界像も、SF的小道具スクランブル・スーツも、監督の前作「ウェイキング・ライフ」と同じ実写映像を線画アニメ化する手法で、原作通りの映像化に成功。そして何より、ディックの静かなユーモアと、敗れていく者への愛に充ちた感傷的ともいえる眼差しが、原作同様、全編に満ちている。

 ちなみに映画ラストの「献辞」は原作後書きの引用。多数の死者の名に続く「フィル 不治の脾臓障害」とは原作者自身のことだ。(平沢薫)

映画.com(外部リンク)

2006年12月7日 更新

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