ここから本文です

戦 IKUSA 第弐戦 二本松の虎 (2006)

監督
本田隆一
  • みたいムービー 1
  • みたログ 11

3.50 / 評価:2件

三池映画という「壁」

  • 諸星大五郎 さん
  • 2008年12月13日 3時02分
  • 閲覧数 246
  • 役立ち度 15
    • 総合評価
    • ★★★★★

 本田隆一監督がこだわる、彼の世界観に好意を持つ。
この人は、映画会社に所属して、助監督から上がってくるコースではなく、インディーズとして出てきた人だ。初期インディーズの「東京ハレンチ天国 さよならのブルース」から観ているが、この監督の、雑草のような独自の世界観に惹かれる。
 同じ大学を出て、同じような雑草育ちの 山下敦弘監督と比較して、描く世界が現代ウケしないので、なかなかブレイクしないが、本作あたりから、徐々に大きな映画を撮るようになったのは、本田ファンとて、嬉しいかぎり。

 本作は、ヤクザな男たちの世界。
本田さんにとっては撮りたい映画だとは思うのだが、残念ながら、私には失敗作に見えた。かなり三池映画と被る。

 三池監督がやってきたことは、それまでの邦画アクション映画の寵児であった深作欣二監督が創った、揺るがしようのない映画的定石を、どう乗り越えるかであったのだと思う。その意味で、三池さんは、名匠溝口健二を擁した大映にあって、溝口の映画を乗り越えようとして、奮闘した増村保造監督に似ているのかもしれない。

 どの世界でも言えるのだと思うが「挑戦性」とは、既存の枠内で、それを発揮する者は評価されるが、枠そのものを変えようとする者は「毒」として守旧派に排除されがちだ。しかし、その「毒」が映画にパワーを与え、鑑賞者を興奮させることもある。

 本田監督の本作は、まるで「毒抜きをした三池映画」のように見える。どうせやなるなら徹底的に毒を抜く勇気があったのなら、それはそれで、独自の映画になっただろうにと大変残念に思った。
先日観賞した 福田陽平監督の 「お姉チャンバラ THE MOVIE」も同様の思いをもった。「お姉チャンバラ」は三池さんの「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」の出来損ないのような作品だ。この人は、なんでもっと無茶をやらかさないのか?

 三池アクション映画は、もはや古典だろう。
若手でアクション映画を撮る監督は、打倒三池を合言葉にして欲しいものだと思う。
三池なにものぞ、という映画が出てきてこそ、三池さんだって本気になるというものだろう。三池を巨匠にしてはならない。邦画が面白くなくなる。
 
 ある意味、アクション映画は、挑戦者には、自由度が高いジャンルだろう。
アクション映画が保守化すれば、映画全体が凋落してしまう。
そういう苦い時代を邦画界は経験してきたのだから。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 未登録
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ