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お散歩 (2005)

監督
松田彰
  • みたいムービー 1
  • みたログ 10

3.67 / 評価:3件

とにかく新鮮な隠れた良作

  • achakick さん
  • 2009年1月22日 19時37分
  • 閲覧数 224
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

78点

駄作臭プンプンだったけどタイトルにひかれて観た。
「お散歩」と「冬の幽霊」の、一時間たらずの2本の映画が収録されている。
自分は「冬の幽霊」から先に観た。
「冬の幽霊」は死んだカレシがある朝、当たり前のように復活して主人公の隣で眠っていたことからはじまる、フシギ系ほのぼの映画。
設定こそおもしろいものの、ラストに向けてぼろぼろとシナリオが崩れていって作り手自身、収捨がついていない印象。
肝心の復活したカレシ役の俳優の演技がひどく、映画の中になかなか入っていけなかった。
それに人物たちに多くのものをしゃべらせすぎていて、映画というより学生演劇を観てるような気分になった。
「冬の幽霊」だけを評価するなら☆2つ。
「冬の幽霊」が予想通りのB級だっただけに、「お散歩」にはぜんぜん期待していなかったけど、こっちはとてもおもしろかった。
男と女が散歩する様子を追った映画で、本当にそれだけ。
小春とナベがどうやって出会ったか、小春がナベのことをどう思っているのかという内容の、小春とナベにたいするインタビュー映像のようなものが時々挿入され、その演出がすごい新鮮。
映画サイズではない日常レベルのドラマ、普通の人の感情を感じさせ、ドキュメントとフィクションの中間のような手触りが斬新。
散歩する二人の会話、インタビューでの受け答えなどのセリフもとてもリアル。
たぶん具体的な脚本はなく、セリフのおおまかな方向だけを役者に与えて、あとはそれぞれの役者に自由にしゃべらせてるんだと思う。
そんな新鮮な日常切り取り系の映画なのかと思っていたら、しっかりとした、でも目立たない、あくまで日常的な着火点まで用意されている。
インタビューのシーンを観ていると、小春がナベを見下している感じがあって、自分が優位でないと落ち着けないというようないやらしさを小春がもっていることを、とても自然に気づかせる。
ああ、こんな感じの女っているなあ、と自然に思わせたし、それにこの小春役の女優の顔が、本当にそうゆういやらしさをもつタイプに多い顔つきをしている。
だから自分は映画ということも忘れて、小春にたいして嫌悪の情すら抱いてしまった。
だけどそんな自分の感情も、ラストにはきれいにひっくり返された。
くだらないことから住宅街のまん中でケンカする二人。
バカって言った、言ってないの繰り返しでついにキレる小春。
自分でも気づいていた自身の卑怯への嫌悪と、ナベのバカっぽさに挟まれ、混乱したように突然泣きだす小春。
凡庸だけど凡庸だからこそ表現するのが難しい、普通な人の普通なドラマがとても巧く表現されている。
そんなシーンにおいても犬の鳴き声が二人の間を通ったりして、感動しきれないようなマヌケさがまた日常的。
小春の涙にびっくりして、小春に嫌われたくないから平謝りするナベ。
仲直りしてまた歩きだすラストには、小春のかたさとナベのやわらかさが溶解して、二人がもつ愛嬌だけが際立つようで印象に残る。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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