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ユビサキから世界を
2006年8月31日公開

ユビサキから世界を

632006年8月31日公開

cyborg_she_loves

3.0

薄っぺら~い映画

 高校生ぐらいのやつが「死にたい、死にたい」と大騒ぎしてるのって、結局はこの程度のことなんだよ。そういう自分を、この映画みたいに冷めた目で見直してごらんよ。  この映画のメッセージは要するに、そういうことですよね。  深夜に集団自殺する約束をしてから、実際に深夜に学校に集まるまでの間にしている行動の滑稽さ(数時間後に死のうとしている人間のすることじゃない)が、そういうメッセージを端的に表わしています。交通事故で死にかけたリンネ(谷村美月さん)が、死なないように全力で這い上がってこれから自殺する場所へと駆けつける、とか。  円周率だの元素周期表だのを言い合っているのは、この4人がみんなインテリ少女たちだという意味ですね(私もじつは何人か、死にたいと何度も言ったり、自殺未遂したりした人を個人的に知っていますが、みんな例外なく桁外れに頭いい人たちです)。  そういうメッセージを表現することには、たしかにこの映画は一定程度、成功していると思います。決して悪い映画じゃありません。  しかし、この映画ではこの4人の少女たちは、いわばたまたま自殺しそびれただけで、「これ」に気づいたから自殺がいかに愚かなことかを知った、という何かはっきりしたものは、この映画では何も描かれていません。  これがもし現実の話だったとしたら、この4人は、今は自殺を思いとどまっても、何かちょっと嫌なこと・腹が立つことが起こったら、またぞろ「ねえねえ、今晩一緒に死のうよ」と言い出すでしょうね。  女子高生なんて、要するにその程度の馬鹿ばっかりしかいないんだよ、と言いたいなら、まあ意見を主張する権利を否定する気はありません、どうぞご自由に。  ただ私は、なんだかものすごく薄っぺら~いものを見終えた、という後味しか残りませんでした、というたことだけは書いておきます。

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