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神童
2007年4月21日公開

神童

1202007年4月21日公開

lbrcbclarist

1.0

ネタバレ製作陣がダメ。

松ケン&クラシックファンということで、見に行きましたが、正直途中で見るのやめようかと思いました。私は趣味レベルですが20年近くピアノを習ってたので、楽しみにしていたのにな。 ストーリーがまず成立していないし、辻褄が合わないことが多すぎる。 『神童』と呼ばれる天才でも、ピアノの技術的な部分、つまり指の鍛錬・訓練は最低限必要で、それは物理的に必要不可欠なものだ。寒さで手がかじかんでも弾きにくいが、練習もしないで弾けるわけがない。 天才だから一度楽譜を見ただけで協奏曲を演奏できスタンディングオベーションを誘う、なんてありえない。あのコンサート会場に残った観客は、耳の肥えた観客ではないのか。また彼女が代役をすることになったという根拠があまりにも酷すぎる。観客は時間とお金を割いて、会場に足を運んでいる。こんなことが許されていいのか。いくら映画の中とはいえ、この設定はあまりにも無神経だ。 そして音楽に取り組んでいる人間が、椅子の高さを調節する為に楽譜(スコア)を尻に敷くなど、絶対にありえないし、例え演出でもやってはいけないことだ。こういうエキセントリックな行動で彼女が『神童』である理由を説明しようとしたのなら、安易だし、いい加減な演出と言わざるを得ない。例えばくわえ煙草で渋谷のセンター街を夜な夜なうろつくパンクロッカーでさえ、スコアや楽器の上に座ろうなどとは考えないだろう。音楽の価値を認め、音楽にわずかでも敬意を払い、音楽をやるために貴重なお金と時間を割こうとする人は、スコアや楽器を軽々しく扱うことはしないし、したくないし、できないものだ。 私は映画製作のド素人であるけれども、あえて失礼を承知で言えば、音楽に真剣に取り組む人、音楽を愛してその価値を認める人間をなめるな、と言いたい。 さて、翻って俳優陣や演技はどうだったかということ、これは素晴らしかった。脇役も豪華だし、主役2人はダブルを使ったとはいえ、本当に弾いているように見えるし、特に松ケンが演じるワオの音大入試のシーンは圧巻で、見事な『熱情』だった。 話が前後するが、この『熱情』が見事だったのは、ウタが演奏前にワオの手を握ってあげたからではなくて、ワオが夜通し練習し、隣の店でババシャツ(というかシミーズ)売ってるオバちゃんに怒鳴られながらも、決して練習をやめなかったからだ。それを、『神童』たるウタに手を握ってもらったからだ、とする台詞を私は許すことはできない。 しつこいようだが、俳優陣は最高だったし、衣装もロケーションも雰囲気があり映像もキレイだったが、要するに演出・脚本などの裏方がスベったのではないかと思う。俳優陣の頑張りに、裏方のレベルが合っておらず、本当に勿体ない。もう一度、”わかってる”製作陣で取り直したら、きっと素晴らしい映画になっただろうに。 ボロクソに言っていますが、俳優とその演技は文句なく素晴らしかった。惜しすぎる。

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