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真夜中の少女たち
2006年8月12日公開

真夜中の少女たち

1222006年8月12日公開

taj********

4.0

ネタバレリズムあり。意外にも(?)良作でした。

 意外にも良作。同劇場で同時公開のwanna be FREE!東京ガールよりもはるかにお勧め。30分程度の短編×4という構成で、作品毎(あるいは女の子たち自身)に個性があるため、2時間超でも飽きませんでした。たぶん一話構成の2時間ものにしていたら失敗したはず。  物語は、同じクラスの5人(第2話は2人が主役)がそれぞれの悩みや迷いと自分なりに戦っていく…という、書いてみれば単純なオム二バス形式。しかし作品世界を豊かにしているのは、第一に「同時進行感」を大切にしていること(細切れ感がない)。第二に夜と夜明けの雰囲気が活かされている点だと理解しました。  第一点について、各作品はコミカルな終礼のシーン(担任役は温水洋一さん)から始まります。各編にその光景がそれぞれの女の子たちの文脈で展開し、最後は翌朝の朝礼に向かいます。これで堀江監督の主題とする「おなじ地球《ほし》に生きているという感覚」は十分に私にも伝わってきました。  第二点について、一晩という限定された時間の中で何かをする(あるいは、してしまう)という切迫感?のなかで、やはり夜明けは特別な時間だと思います。学生時代のキャンプや徹夜明けの、朝日を見たときの感覚(…うまく言葉にできないのですが)。そこでの高揚感とか過去との決別感、驚きetc、それを言葉にすることなく「夜明け/朝日」という映像だけで表現できているのが評価できますし、共感できるところです。  5人の役者さんたちはそれぞれ個性的な演技で、話によく合っていたと思います。第3話の渋谷飛鳥さんは十分な実績があるので言わずもがな。第2話の長谷部優さんと上堂薗恭子さんの格闘シーンは、確かな技の掛け合いになっていて後席からは驚きの声(よく事務所がOKしたもんだ…)。第1話の高部あいさんは笑顔が素敵でしたし、逆に第4話の佐津川愛美さんは影(でも少し笑える)の表現がよかったのではと。  あえて各自の個性を別々に(かつ実は同時進行として)みせるオムニバス形式だったので、メリハリのある2時間になったのでしょう。  音楽は可もなく不可もなくといったところですが、各話のエンディングに使用されるMay「You」は、例の夜明けの感覚にマッチしていましたね。  全体的に、高校生という微妙な年齢のふわふわ感やその時代ならでは疾走感(?)がうまく演出されていました。高校時代が遥か遠くとなった私としては切ない作品です(…オヤジ化しているのかな)。

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