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長い散歩 (2006)

監督
奥田瑛二
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3.75 / 評価:200件

無用で長過ぎる散歩。不快な散歩。

  • 百兵映 さん
  • 2014年7月16日 17時31分
  • 閲覧数 2808
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

この元・校長さん、なぜこんな『長い散歩』に出なきゃならんのだ。彼は何を反省せねばならんのだ。

 あえて彼の職業を校長に設定したのは、おそらく「厳格」というイメージに合わせたのだろう。勝手なもので、他人には「厳格」「厳しさ」を求めながら、都合が悪くなると「厳し過ぎる」「押し付けがましい」「冷たい」「包容力が無い」と詰る。

 映画の冒頭、娘が父である元・校長を責める。「相変わらず押し付けがましいのね。……、この家に住むのが怖いんでしょう。人殺し。」―― ひどい娘だ。押し付けの復讐に、人殺し呼ばわりして『長い散歩』を押し付け返すのだ。奥さんはアルコール中毒で死んだらしい。これって、亭主による人殺しか。どんな押し付けがあったというのか。自分たちの弱さ、甘え、だらしなさは棚に上げて、厳格な父の犠牲になったと決めつける女たち。隣室の女とて同じことだ。

 なにも亭主の“関白”や“暴君”を弁護するのでも、女性の“貞淑”や“忍耐”を賛美するのでもない。優柔不断のナヨナヨ亭主と物わかりのいい優しいパパがやたらと多くなり、高学歴のテキパキ女性とカカア殿下。ほんのちょっと“尻に敷かれる”ふりをしておけば良かったのだ。それが出来ない。厳格ではない、下手なだけなのだ。

 元・校長だったら校長室に怒鳴り込んでくるモンスターとの対応でそういう事情も知っていただろうに。元・校長だったら、フワフワの「帰国子女」にも青竹で一本喝を入れてやれば、目の前で死なせることもなかったろうに。

 不快感だけが残る作品だった。それが本作のねらいだったかもしれない。だとしたら、これは秀作だ。

詳細評価

物語
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