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スパイダーマン3
2007年5月1日公開

スパイダーマン3

SPIDER-MAN 3

1392007年5月1日公開

hick

4.0

ネタバレ詰め込み過ぎた完結作(だが好き)

めちゃくちゃ詰め込んだなと言う印象。サイドストーリーも大渋滞。MJが仕事を失う、ハリーの記憶喪失、MJとハリーのロマンス、ピーターとの三角関係、グウェンとのもう一つの三角関係、エディ&グウェン&ピーターの三角関係、サンドマンと娘、サンドマンが叔父殺し、ピーターとエディの確執、MJとピーターの別れ、ブラックスパイダーのくだり、などなどパッと思いつくだけでも多過ぎる。 それぞれのセットアップシーンも多いうえに、キツキツの時間の中でも監督特有のギャグシーンを詰め込んでいるので、ブラックスパイダー含めベノムのストーリーが佳境に入ってから滑り込み状態。最後の駆け足感や詰め込み感は否めない。 また、ピーターの設定がめちゃくちゃバカになってる。傑作と言われる前作でも、彼の愛くるしいおバカ描写はギリギリの線に思えたが、今作はその一線を超えてしまった感がある。ブラックスパイダーではもちろんのこと、シラフでも大暴走。ためらいなくグウェンとキスをしてしまったり、元の性格以上に有頂天が過ぎる。もっと自然なMJとのすれ違いを見たかった。ちょっと監督の趣向が行き過ぎたのでは? もう一つ残念だったのは、一作目「大いなる責任」二作目「大切な物を諦められるか」とそれぞれしっかりしたテーマをセリフで言わせ全編がそのカラーで統一されていたのだが、今作はそれを感じにくかった。今作はサンドマン絡みでの「許す事」が大きなテーマにも感じたが、これまでに比べ作品の全編統一されていた感は無かったように思う。 完璧な作品では無いのだが、それでも個人的には好きな作品。それもハリーの描き方が大きな要因。一作目から徐々にハリーを育てて行き最終作の最後の最後で大きな存在になる。大切に描いてきたからこそ最後の共闘はアツかった。何回でも見たい名場面になった。欲をいえば敵はハリーだけで十分だった。 ただ、シリーズを通してやはり監督/脚本による人物たちを操る力はすごいと感じた。前作までは間違いなく上手かった、今作は上手い下手は置いといて、詰め込み状態の中でもピーター、MJ、ハリーはいつも通り絶妙に絡み合うし、毎回ドキッとするような修羅場を3人の間に設ける。また敵キャラを含め、ピーターを軸にそれぞれが絡み合い、悩みのタネを彼に植え付ける。忙しないが、そんな巧みな人物関係の構成は今作も見えたし、だからこそもう少し人物をしぼっていればと思ってしまう。 出来れば最後に前向きになれるようなシーンも追加して欲しかったとか個人的な要望はあるが、それでもここまでキャラクターを育てて完結してくれた事が嬉しい。忙しい完結作だが、幕の内弁当のようと思えば(抜いて欲しいおかずはあるものの)、何度も見返したくなる作品。

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