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スパイダーマン3
2007年5月1日公開

スパイダーマン3

SPIDER-MAN 3

1392007年5月1日公開

apo********

5.0

ハッピーエンドのその先にある英雄の葛藤。

アメコミの映画化が、ここ最近連続して登場してますが、 その口火を切ったのも、この「スパイダーマン」だったんですよね。 自分も、小学5年生の時に「1」を見に行って、 中学1年生の時に「2」を見に来ました。 そして、高校1年生になった今、最終章となる「3」を見ました。 言ってみれば、スパイダーマンという映画は、 僕の青春を共にしたパートナーのような、 ちょっと過剰な親密感を勝手に感じています。 単純明快なハリウッド映画が飽きられてしまっている今だから、 日本では話題性だけで見に行ってガッカリするという観客が、 このシリーズに関しては多いように思います。 でも、「3」個人的には最高でした。 本当に内容が濃くて、映画を何本も見たような気がしました。 最近安易に使われる宣伝文句「極上のエンターテイメイント」。 この映画は、そこらの映画とは違います。 この映画こそ真の「極上のエンターテイメント」なんです。 映画史上最高の制作費と騒がれたほどですから、 その迫力ある映像と言ったら半端ありません。 それ上、注目すべきアクションシーンが数多くあります。 ちょっと臨場感がありすぎて、しんどくなる人がいるのも納得です。 しかし、しんどくなろうがここまでの出来の映像は、 是非とも劇場で体感してほしいですね。 しかし、個人的には映像より注目するべきものが、 このシリーズにはあるように思えます。 前述した「単純明快」ですが、このシリーズは、確かに単純明快です。 けど、同時にこの映画はもの凄く「奥行き」を持っています。 その「奥行き」が並みの映画ではないと証明したのが「2」です。 ピーターとMJを軸に、すれ違っていくピュアな想いに、 葛藤していく様を見事に描いていました。 その「奥行き」は、「3」でも健在です。 ピーターとMJの距離で例えると、 「1」は、二人の関係に「希望」が生まれます。 「2」では、二人の関係が「成熟」します。 もぉ成熟したのに、今更何を描くのか? 「3」では、その成熟した先を描きます。 いわば、ハッピーエンドの「その先」です。 普通のハリウッド映画では無視しがちな部分を、 真っ向から取り組む姿勢がこのシリーズにはあります。 また、上手いこと二人の関係はすれ違っていきます。 その二人の関係に、今回はハリーが真剣に割り込んできます。 「復讐心」に刈られて、もはや自分を失ったハリーが、 今回は大きな軸となってきます。 ハリーの心情の変化が物語に起承転結をもたらしているし、 ピーターも「復讐心」に刈られてしまい、同士が死闘を繰り広げて、 「許し合う」という結果を導き出す様も感動的。 ただ今回の「3」の勢いは、この3人の葛藤だけでは収まらない。 サンドマンという新キャラの人間背景や、 ヴェノム誕生を取り巻く人間関係まで見事に描いている。 ここまで、描くとなると「人間ドラマ」と 「アクション」のバランスが傾いてくるのは必至。 確かに、中盤人間ドラマに重点が置かれてくる。 しかし、そこで描かれる模様がおもしろいため全く飽きさせない。 そして、全ての物語が決着をつけようとするとき、 上手いこと全ての物語が一つの焦点に集まる。 あの、敵同士が裏町で出会って、「俺たちが手を組んだら、 スパイダーマンも倒せるぜ!」っていかにもアメコミらしい。笑 そして、物語はラストに向かってもの凄い勢いで走り出す。 ラストは「ハッピーエンド」ではないですね。 敵を倒して良かったね!!ではありません。 登場人物はまるで、戦争で生き延びた軍人のようです。 最後に、ピーターとMJは抱き合います。 あれは、幸せを分かち合う愛情表現ではありません。 二人で傷ついた心を癒し合っているのです。 だから、ピーターはプロポーズをしなかったのです。 「4」の噂が、早くから起こっていますが、 「4」で描くとしたら、彼らの傷を癒すことに 物語の重点が置かれるでしょう。 アメコミらしいアクションと、青春映画の王道を併せ持ち、 その二つが、「奥行き」を生み出した、このシリーズ。 続編があろうが、いったん終止符が打たれたことは確かです。 賛否両論が巻き起こっていますが、個人的には紛れもなく傑作でした。 ありがとうスパイダーマン! 全米オフィスボックス、歴代1位の座を塗り替えてほしいです♪笑

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