ここから本文です

デビルズ・リジェクト~マーダー・ライド・ショー2~ (2005)

THE DEVIL'S REJECTS

監督
ロブ・ゾンビ
  • みたいムービー 34
  • みたログ 231

3.50 / 評価:90件

今度は「俺たちに明日はない」

  • kug***** さん
  • 2015年5月4日 14時17分
  • 閲覧数 1472
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

 サブタイトルの「マーダーライドショー2」のとおり、前作「マーダーライドショー」の正当な続編となっています。
 前作は殺人鬼一家に旅の若者たちが次々と殺されていくという「悪魔のいけにえ」の系譜といえるコテコテのスラッシャーホラー映画を狙っていましたが、ロブ・ゾンビの俗悪映画に対する愛情と隠しきれないオサレセンスの良さが裏目に出て、それがどこか喧嘩しているような中途半端で徹しきれていない映画でした。
 しかし、この二作目、続編スラッシャームービーの定番である「殺人鬼以外ははほぼ続投なし」としながらも、それを一歩二歩あえて深く踏み込んで「社会から阻害される殺人鬼たちの物語」として描いています。
 これはありそうでなかった切り口です。
 だって、殺人鬼が阻害されるなんて当たり前なんですから。
 最低でゲスな殺人鬼。
 しかし、それ以外はあまりにも熱い感動の家族の物語。
 …でも、みんなキチガイで殺人鬼。

 惜しいところまでいってる映画はかなりありましたが、それはあくまで「こんな一面も」というアプローチでしかありませんでした。むしろ、その家族愛が気持ち悪く、いっそう胸糞悪さをかきたてるギミックになっているものも少なくない。

 だが、この映画では驚いたことに、ゲスな殺人鬼たちが自分たちを受け入れない社会と全力で戦うという切り口を貫いていて、むしろ復讐に燃える警察が段々と狂ってきて非道なことをしてくる。
 見ているうちに下衆なはずの殺人一家の方をついつい応援してしまうという困ったホラー映画です。親切にも「おいおい、こいつら救いようのない社会のゴミで極悪人だぞ?」と注釈をつけるように非道で外道な一家の犯罪行為が挿入、強調されて美化されないようにしている。
 車で逃走しながら、社会と闘争する殺人鬼兄妹。
 圧倒的な敵の数の前に次々と傷つき倒れる。
 そこに騎兵隊のように助けに現れる父。
 囚われの母。

 基本的な骨組みは同じく社会から阻害された二人の犯罪者が社会と戦う「俺たちに明日はない」なのですが、あらゆるアメリカンニューシネマのエッセンスを感じます。それは「ワイルド・バンチ」であり「タクシードライバー」であり、「時計仕掛けのオレンジ」であり、社会に適応できない悪が社会の持つ偽善や欺瞞を暴き出してしまうという意味でもまさにアメリカンニューシネマの語りなおしとなっています。

 社会のゴミを警察が非道な捜査で皆殺しにしたのに、そこに生まれるのはなんとも言えない同情。

 映画の「寄生獣」をちゃんと描けば、この映画のようななんとも言えない気分になったはずです。

理解できない人には単なる意味不明で変なスプラッタホラーなんでしょうけど…。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • パニック
  • 不気味
  • 恐怖
  • 知的
  • 絶望的
  • セクシー
  • かっこいい
  • コミカル
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ