あらすじ・解説
多摩川の河川敷で松下泰造(峰岸徹)という男の死体が発見されるが、その犯人は泰造の実の子どもたち、和夫と那美(山本未來)の仕業だった。和夫はすぐに身柄を拘束されるも那美の行方は分からず、刑事の河野(高岡早紀)は女としての直感を働かせ、那美の昔の恋人である関川(筒井道隆)のいる大分県別府へと向かう。
シネマトゥデイ(外部リンク)
作品レビュー(8件)
- wha********
4.0点
ベテランのおじさん刑事と若手女性刑事が、父親殺しの罪で逃亡した女が潜伏している旅館を張り込む。 一見して火曜サスペンス劇場そのままなんだけど台詞のバランス、カッティング、構図を変えるだけで本格的な映画になる実例を見せてもらったような感じ。 でも台詞で処理しちゃう所がそれでも多い。 終盤に河合美智子が謝る所があるが、彼女の「ごめんなさい」が、実感として薄かった。 効果的なのは山本未來と筒井道隆が付き合って幸せだった頃の映像を回想でちょっとでもあらかじめ見せておくだけで河合美智子の現在の幸せと対比されて、河合美智子の複雑な心境に共感する事が出来たのではと思った。 回想じゃなくても、山本未來が、どこかのカップルの後ろ姿を見るカットだけでもいい。(山本未來と筒井道隆が付き合って幸せだった頃を重ね合わせる) 身を引いて去って行く、山本未來の悲しさも引き立ったのではないかと思った。 ラストの高岡早紀が手錠をかけないでぐっと抱きしめたままのカットだけで、高岡早紀の思いが伝わって泣けて来た。
- fsy********
4.0点
ストーリー的にはそれ程特筆すべきものはなかったけれど、夫婦間・恋人間の愛情のありかたについて様々考えさせられる内容でした。事前には女性3人の物語といったアナウンスでしたが、存在感的には岸辺一徳さんが大きすぎた感があります。大絶賛とまではいかないまでも見るべき価値ある作品と思います。
- isi********
3.0点
他の大森一樹作品で、不評であるレビューを読み、私は参考になったをクリックしましたが、レビューの中に他の大森作品を知らないという記述がありましたので、私は大森一樹監督の名誉のために、この場を借りて少々大森映画論を展開するつもりです。と言っても、大森作品のファンでありながら、期待はずれの作品(花の降る午後)を観てから積極的に大森作品を観なくなってしまったのですから大きな事を言えた立場ではありません。しかし、大森作品から離れてしまったこと自体に確かな理由が隠れているような気がします。そう、私は大森一樹映画が大好きでした。特に「ヒポクラテスたち」は今後も出てこない傑作だと思います。そして、その前に城戸賞を受賞した「オレンジロード急行」もオレンジの道が続く海の彼方にパラダイスを想起させる素敵な作品だと思います。「恋する女たち」に至っては知的な雰囲気を漂わせながら、若い我らの肉体の血管の中に青春というエキスがしみ込んで来る、なんてキュートな作品なのかと感動したものです。ただし、大森監督はストーリーテラータイプではないのです。いわば、エピソードテラータイプであり、シナリオ論で言えば、「ダンゴの串刺し」スタイルで楽しませるタイプなんだと思います。ひとつひとつのエピソードがつながって、ある一瞬にキラッと輝く瞬間があり、そこに映画の美を感じる。言ってみればそんなタイプの映画作家なんだと思います。「ヒポクラテスたち」はひとつひとつのエピソードがキラキラ輝いていて、その果てに青春の蹉跌があって、それでも生きてゆく愛おしさが伝わってきました。「恋する女たち」では、文学的台詞をあちこちに散りばめて少しずつ我らの脳髄をくすぐりながら、ラストシーンの自らのヌードが描かれた油絵を眺める主人公の想いを是非レビュアーのみなさんに体験して欲しいのです。で、長い間遠ざかっていた大森作品を久しぶりに観る事になった今回の「悲しき天使」ですが、別に大森作品に見切りをつけていた訳ではなく、上記の三作品の快感が忘れられず、ひょっとしたらまた気持ちよくなれるかも知れないという期待を持ってレンタルしたという経緯でした。この作品はほとんど松本清張の「張り込み」そのものです。張り込みしながら容疑者が現れるのを待ち続ける、その中で静かな生活を続けている元恋人のもとへ容疑者が現れるとどうなるか・・。ストーリーテラーではない大森監督にとっては恰好の題材でありますが、なんと高岡早紀ですか。ラストで容疑者が泣きつくのは高岡早紀ではなく岸辺一徳であれば絵柄として納得できるかなという程度で、新しい映画を観たという印象はなく、まして大森一樹の真髄を観た感もありませんでした。キラッと輝く一瞬がなければ大森一樹ではないのです。でも、私はまだ諦めませんよ。きっと「ヒポクラテスたち」のとき感じたきらめきを与えてくれることを期待しています。なぜか森田芳光監督にも同じ想いを抱いていました。突然消えてしまった森田監督のときのような思いはしたくありません。大森一樹様、あの感動をもう一度わたしたちにに魅せてください。
- hos********
1.0点
ネタバレ火スペのレベルです。
このレビューにはネタバレが含まれています。 - cex********
4.0点
レンタル屋で店長お薦めとありましたので、素直に借りてみました。 やはり、玄人受けする作品でした。 ラストシーンなど理解できない内容も多々ありましたが、 全体として、独特なトーンがあり、余韻の残る良い作品だと思います。
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