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今宵、フィッツジェラルド劇場で (2006)

A PRAIRIE HOME COMPANION

監督
ロバート・アルトマン
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3.76 / 評価:176件

人肌の温かさ

  • komainu1863 さん
  • 2013年9月16日 0時42分
  • 閲覧数 791
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

ぬくもりのある作品だった。

カントリーミュージックのぬくもり、
映像の色彩トーンのぬくもり、
人々の会話、思い、シチュエーション・・・すべてにぬくもりがある。

そして、その温度はキッカリ36.5度。
それ以上でも、それ以下でもない、人肌の温かさ。

舞台は、ミネソタ州にあるフィッツジェラルド劇場。
これまたぬくもりを感じるウッディな古い劇場で行われるのは、

人気ラジオ番組「プレイリー・ホーム・コンパニオン」の
最後の公開生放送。局が大企業に買収されることが決まったのだ。

これをリスナーに言い出せないまま進行していくところに、
また「ぬくもり」を感じてしまう。

それにしてもこの番組!
舞台には家のセット、生バンドに生歌だけでもすごいのに、
ナントCMが、全部生読みだ!しかもこの司会者、突然歌も歌う。

出演者達は、自分の声がオン・エアーに乗る0.5秒くらい前まで、
誰かと雑談したり、言い争ったりしているのに、
サッと笑顔を作り、歌い出したり、しゃべり出したり。

さ…、さすがラジオ大国。

この番組は実在しているそうで、司会のギャリソン・キーラーは、
原案・脚本を手がけ、本人役で出演しているのだから、
実際こうなんだろうな。

個性的な出演者達は、

母への思いを歌うカントリー歌手の姉妹デュオ
ヨランダ(メリル・ストリープ)とロンダ。

シモネタ連発のカーウボーイシンガー、ダスティとレフティ。
彼らのギャグにうっかり笑いそうになる。

ソロのチャック(L・Q・ジョーンズ)は、
白髪で高齢だが、女性にモテモテ。

それに、自殺の詩ばかり書いている、
ヨランダの娘ローラ(リンジー・ローハン)、

用心棒ノワール(ケビン・クライン)や
臨月の大きなお腹で仕事をする進行係りのモリー

あ、買収男アックスマンは、缶コーヒーを飲みながら
この星を調査しいているトミー・リー・ジョーンズじゃん!

そして、この作品のキーになるのが、
ヴァージニア・マドセン演じる謎の白いコートの女。

綺麗で神秘的で粋な女性。

舞台で進行されていく番組と、その舞台裏の人間模様が
ほぼリアルタイムで見ているスピードで描かれ、

全編にちりばめられるのは、カントリーとブルースのナンバー、
ファンタジー、そして「死について」。

ロバート・アルトマン監督の遺作となったこの映画だけれど、
これは、遺言でもあるかのように、
見ている私達に残してくれた財産のように思う。

何かが終わるということは、新しい何かが始まるということで、

人はのびのびと生き、好きなことをやって、
希望を失わない限り、再生はやってくる。

そんな思いを感じつつ、

アルトマン監督が「なかなか良い人生だったよ。」と

言っているような気がした。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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