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レミーのおいしいレストラン (2007)

RATATOUILLE

監督
ブラッド・バード
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  • みたログ 5,368

4.04 / 評価:1,748件

才能が集結して夢を吹き込んだ美しいアニメ

  • ハイジ さん
  • 2008年2月25日 1時50分
  • 閲覧数 1968
  • 役立ち度 131
    • 総合評価
    • ★★★★★

バレンタインデーに、料理好きの主人から、ネズミ好きの私に贈られたプレゼントの一つが、このDVDでした。
可愛いネズミの世界、そしてパリの一流レストランに魅せられ、レミーたちと一緒に夢の様な時間を過ごしました。この映画を観て、世界中の子供たちが、お洒落なレストランに連れて行ってもらう度に、このお店の屋根の上にはネズミのレストランがあるのではないかと想像しながら食事を楽しんでくれると嬉しいですね。私に才能があって、こんなお話を作る仕事に関われたら、どんなに幸せかと思いました。
こちらの主人公レミーは鼻の利くネズミです。ネズミといえば、愛らしいマウスをイメージされる方が多いと思いますが、彼はラット、つまりドブネズミです。
世界各国で親しまれている童話や童謡に、ネズミやアリ、クモまでが登場しても、ドブネズミやゴキブリの物語は珍しいと思います。
悲しい事に、ラットというのは、人間の日常生活で「見つけたら殺せー!」と言われる存在で、英国でも、子供がペットとして飼っているラットが、勘違いで家族に退治されてしまったりするのです。
私は『ベイブ』や『ムーラン』の様に、いつ殺されるか分からない命が、運と素質、そして愛と努力で輝いていくストーリーが大好きなので、今回もレミーに心を掴まれ、彼の活躍に気持ちよく感動しました。
何といっても、料理をするレミーが最高に可愛くて夢があって、ネズミ好きならメロメロになってしまいます。レミーの目線で走り回るレストランのキッチンは、危険がいっぱいで、スリルもスピード感もあって、レミーが野菜と一緒にローストネズミになりかけた時には、思わず声を上げてしまったぐらいです。
Disc2に、世界の『ラタトゥイユ』(本作)という項目があって、本の一部ですが、日本語でも鑑賞する事ができました。それは、人間のリングイニがレミーを川に捨てなければならない、彼らの心の出会いである大事なシーンなのですが、日本語訳にちょっと納得がいかなかったので、それを書いておこうと思います。
私が気になったのは「僕に協力してくれるなら、命を助けてあげる」というリングイニの恩着せがましい条件付きの言葉です。英語では、そんな言い方はしていません。この訳も、意味として間違ってはいないのですが、父親から人間の恐ろしさを叩き込まれて育ったレミーと、ネズミにもすがる思いの駄目青年リングイニの間に芽生えた震える様な信頼関係を考えると、この訳が、彼らの繊細な心の動きを台無しにしている様に思うのです。リングイニの言葉を、話の流れも考慮せずに、全く飾らず直訳すると、「僕は料理が出来ない。けど、君は出来るよね?」(中略)「これはうまくいくかも」「今、出してあげるね」「僕たち一緒にやるんだよ」です。それでも走り去るレミー。全然、違うでしょ?「僕に協力してくれるなら、命を助けてあげる」と言われて逃げ出すレミーとは。リングイニの寂しい背中、あの情景も微妙に変わってきてしまいます。
私が特に感動したのは、彼らの交流が始まったこのシーンだったので、ちょっと拘ってしまいました。
もう一つ胸を打たれたのは、レストランの評論家がラタトゥイユを口に運んで、その家庭料理がどんな‘おふくろの味’だったのかを映像で表現していたシーンです。棺型のオフィスで酷評を糧に生きてきた男が、やっぱり食べ物が本当に好きな人だった、レミーの美味しい料理が彼の中にある純粋な部分を引き出した、という感動です。
メイキングを見て知ったのですが、ブラッド・バード監督をはじめ、ディズニー・ピクサーのスタッフたちが、パリの風景は勿論、マンホールや石畳、排水溝やゴミ箱の車輪まで写真に撮って、パリの街を再現していました。アメリカ人だからこそ、新鮮に映ったパリの空や雲、その魅力もそのまま持ち帰って映画に投影してくれています。
日本人は、白人を皆‘外人’と一括りにしてしまいますが、アメリカ人にとって、フランス人は全く文化の違う外国人であり、スタッフたちは、フランス人の顔つきや喋り方、料理中の姿勢、その腕や手や口の動きまでを細かく研究していました。しかも、アニメーターたちが料理のレッスンまで受けて、皆で作り上げる喜びを語っている様子に、ディズニー・ピクサーがこの映画に寄せる熱い思いが伝わってきました。
余談ですが、英国で人気のシェフ、ジミー・オリバーが、ちょい役で声の出演をしていました。本の何秒かですが、嬉しくて何度も観てしまいました。ジミー・オリバーは若い頃からシェフとして有名ですが、結婚して子供ができてから、英国の学校給食の改善に力を注いでいます。そんなパパが『ラタトゥイユ』に出演だなんて素敵ですよね。

詳細評価

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