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パンズ・ラビリンス (2006)

EL LABERINTO DEL FAUNO/PAN'S LABYRINTH

監督
ギレルモ・デル・トロ
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3.84 / 評価:2,176件

解説

1944年のスペイン内戦下を舞台に現実と迷宮の狭間で3つの試練を乗り越える少女の成長を描くダーク・ファンタジー。『デビルズ・バックボーン』のギレルモ・デル・トロ監督がメガホンをとり、ファシズムという厳しい現実から逃れるため、架空の世界に入り込む少女を通じて人間性の本質に鋭く切り込む。イマジネーションあふれる壮大な視覚技術を駆使して生まれたクリーチャーや深く考察されたテーマに根ざした巧みな演出が衝撃的。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1944年のスペイン内戦で父を亡くし、独裁主義の恐ろしい大尉と再婚してしまった母と暮らすオフェリア(イバナ・バケロ)は、この恐ろしい義父から逃れたいと願うばかり自分の中に新しい世界を創り出す。オフェリアが屋敷の近くに不思議な迷宮を見つけ出して足を踏み入れると、迷宮の守護神が現われ彼女に危険な試練を与える。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) 2006 ESTUDIOS PICASSO, TEQUILA GANG Y ESPERANTO FILMO
(C) 2006 ESTUDIOS PICASSO, TEQUILA GANG Y ESPERANTO FILMO

「パンズ・ラビリンス」“人間にはなぜ物語が必要なのか”という問いへの答えを提示

 過酷な現実を生きる少女が出会った牧羊神パンは、彼女にささやく、「あなたは本当は魔法の王国のプリンセス。3つの試練を果たせば王国に帰れます」。だが、この牧羊神が招く地下の迷宮は恐怖に充ちている。そこは血と泥に塗れ、妖精の羽は萎れて体は乾涸らび、掌に眼を持つ肥大化した胎児のような異形の者が追いかけてくる。これは、読書好きの少女が現実から逃れるために創った世界ではない。もちろん、彼女は物語を必要とするが、それは物語というものの力が、現実を凌駕することがあるからなのだ。人間にはなぜ物語が必要なのか。監督ギレルモ・デル・トロのこの問いへの答えがこれだ。

 そのうえで、幾重にも重ねられた多彩なモチーフが映画を豊かにする。牧羊神パンのキリスト教伝播以前の森の土着神としての顔。幼児だけが持つ母親への無条件の憧憬と賞讃。女としての母。歪められた子供としての義父。ゲリラ軍の姉と弟の愛。そしてそれらの通底音として流れるのは、少女の性の目覚めの予感だ。少女が開く未来を記された魔法の本は血に染まり、母の下半身は血に染まり、母のベッドの下のマンドラゴラの根は蠢く。初潮を迎える寸前の少女だけが持つ無意識の不安と恐怖が、迷宮の血の匂いを濃密にし、同時に彼女の無垢さをより輝かせている。(平沢薫)

映画.com(外部リンク)

2007年10月4日 更新

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