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スターフィッシュホテル (2005)

監督
ジョン・ウィリアムズ
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3.61 / 評価:23件

闇の迷宮はエンドレスだ

 日本在住のイギリス人監督、ジョン・ウイリアムズによる迷宮ミステリー。

 テーマは「闇の国に迷い込んでしまったものは誰でも虜になってしまう」かな。

【あらすじ】(冒頭20分程度)
 サラリーマンの有須(佐藤浩市)はある日、いやな夢をみた。暗い洞窟をライターの火で照らしながら歩いている夢だ。妻・ちさと(木村多江)は変な推理小説を寝る前に読むからだという。有須は人気作家黒田(串田和美)のミステリー小説のファンだった。

 有須は朝食を一人で済まし、会社に出かけた。通勤電車の広告には黒田のミステリー小説の新刊が近日発売というポスターが飾ってあった。駅の地下通路では汚い着ぐるみのウサギが同じ新刊PRビラを配っていた。ビラを手渡されて振り返るとウサギも有須を見ていた。

 有須がベンチに座って昼食をしていると、隣に汚い着ぐるみのウサギがやってきた。かぶり物をとると、胡散臭いおっさん(柄本明)だった。煙草の火を有須にねだって、“黒田の新刊PRビラ”について文句をいいながら話しかけてきた。そして、「な~にが、トリックスターだ」、最後に「闇の国っていうのは確かにどこにでもあるよな」と変なことをいった。

 家に帰ると妻がパソコンでラビリンスのような図をチェックしていた。ちさとは設計事務所に勤めている。今回は、新しいクライアントの依頼で、迷宮とか迷路とかがテーマだという。妖しいクラブらしい。カップルで行くと刺激的だという。有須は「ばかばかしい」と言って相手にしなかった。

 夜中に妻がうなされていた。寝言で「カギがなくて開かない」と寝ぼけている。有須も夢をみた。木造の洋館の建物に入っていく、作家の黒田がワープロを打っていた。その横に和服姿の女がいた。有須に流し眼をしながら向こうに歩いて行く。

 翌日も有須はいつもように会社に出社した。家に帰ると部屋が暗い。妻がいない。どこかに出かけているのか。携帯電話で呼び出すと玄関の傘立ての横に妻の携帯電話が落ちていた。テレビでは黒田のミステリー小説の新刊PRをしていた。

 有須は妻の帰りを待つ間、いつのまにかソファで眠ってしまった。夢の中で、有須は木造の洋館に入ろうとするが入れなかった。中の人に窓ガラスを叩いて開けてくれという。和服姿の女性が振り向くと妻のちさとだった。窓ガラスが割れて驚いて目が覚めた。

 翌日、妻の勤め先に電話した。出社していないという。心当たりの妻の知人に電話したが知らないという。妻が消える兆候などなかったのに。地下鉄の駅で列車を待っていると着ぐるみのウサギの気配がした。でもいなかった。列車の中でまどろむと黒田が出てきた。

 黒田「だれだって話を持っている」

 その言葉で有須は二年前のことを想い出していた。東北への出張でスターフィッシュというホテルに泊まった時のことだ。そこに佳世子(KIKI)という女がいた。彼女は談話室で黒田の推理小説を読んでいた。話しかけると妙に話が弾んだ。外のレストランで食事をして、その夜、関係を持った。

 黒田の推理小説のセリフが思い出される。「女が消えた。謎は1つだけではない。ひとつの謎は女はどこへ行ったのか。そして、もう一つの謎はなぜ居なくなったのかだ。探しているものを見つけるには一度、振り出しに戻って考える必要がある」

――以下略――

【観どころ】
その一 夢のような妖しい世界に酔ってしまう
 日本の風景なのに日本ではないかのように映し出される。夢と現実、過去の回想が入り乱れるストーリー展開が、独特の妖しい雰囲気を醸し出している。特にスターフィッシュホテルや東北の雪景色が東京の汚らしい喧騒と比べて幻想的に美しい。

その二 KIKI  演じる 愛人・佳世子
 愛人役のKIKIさんは、公開当時27歳、その容姿はミステリアスな魅力たっぷりに演じているが、伏せ目がちに喋ると、たどたどしい演技が高校生が背伸びしているような幼さに感じてしまう。妖艶さが消えてしまうギリギリだ。それをあえて恥じらいと思いこむことが出来れば、一気に魅惑的な世界に入ることができる。ここが難しい。好みが分かれるところだろう。

~~~

 夢と過去の回想が繰り返されて有須(アリス)の幻想世界に漂ううちに、あっさり犯人が捕まり事件が完結する。しかし、ハッピーエンドと安堵したあとにサプライズがある。即座に頭の中で答えを修正するけれど、本当のラストにとんでもない映像があって恐怖を感じる。「ああもう一度観なければ」という諦めと心地よい余韻が広がる。なんという巧妙な仕掛けだ。

 そして作品の最初の映像に驚く。闇の迷宮はエンドレスだ。観終わったあとにもう一度、観たくなる作品です。ミステリーは難解ではありませんが構成が難解です。恐怖の余韻が残るミステリーが好みの人にお勧めしたい。お楽しみに。

詳細評価

物語
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