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憑神(つきがみ)
2007年6月23日公開

憑神(つきがみ)

1072007年6月23日公開

miha_178

4.0

ネタバレおもしろい

辛口な評価が多い今作ですが、日本史に造詣が深い人なら楽しめるのでは。 というのも、幕末の血で血で洗う京都ではなく、のんべんだらりとした江戸が舞台。大政奉還の折からようやく時代の移り変わりに立ち会う民の様子がちらちらと見え隠れする作品だからです。 時代考証は不足な部分も多々あり。しかし、一人の武士に焦点を当て、その人生を語る物語として見ればちょうどいいと思います。 基本はコメディの流れ。貧乏神である西田敏行さんはさすがに笑いどころを作ってくれています。後半に向かうに連れて、主人公の生き様が試される展開に。新選組も出てこないし、著名な維新志士もほぼ不在ですが、その時代に生きた人々の移ろいはよく表現されていたかと感じました。 何より、同じ国の人間が争う虚しさが哀しい。大将不在を補う心意気を見せた主人公はとても素晴らしい。 オチがわからないという声が聞かれますが、既に過ぎた時代を思えばそんなことはありません。前半は笑い、後半はずしっと来るストーリーはなかなか魅せてくれます。余韻を残す終わり方は嫌いではないし、こうしたお話には合っているのではないでしょうか。 とはいえ、一気に時間が経過したり、登場人物の心情や状況の描き方が中途半端だったりと消化不良な部分があるのも事実。手放しで絶賛はできませんが、一度見て損はない映画です。

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