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絶対の愛 (2006)

TIME

監督
キム・ギドク
  • みたいムービー 73
  • みたログ 406

3.36 / 評価:150件

時間のパラドックスと人間の性

  • Beautiful Movier さん
  • 2013年6月25日 0時26分
  • 閲覧数 1775
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

あのインセプションでも出てきた
有名なパラドックス、ペンローズの階段のような映画だと思った。

こんな映画は初めてだ。ループし続ける映画。
いつまで経っても上に上がれない階段のように。
映画という時間芸術を使った実験的作品だとも思った。

「絶対の愛」を求める女の話という意味では正しい邦題なのかもしれないが、
作品の構成やメッセージを考えるとやはり違和感である。

愛、美貌を追い求め、手に入れた果てに何があるのか。
堂々巡りの虚しさを見事な構成で描いている。
去った女を忘れられない男、去った男を忘れられない女、
前後半で二人は立場を変える。立場は変われど、筋書き的にはほぼ同じだ。
繰り返された物語は、また冒頭に戻って終焉を迎える。
だが、そこからまた物語が始まる気がして、なんとなく不完全燃焼気分である。

リアリズムのない展開の中に、永遠を求めてきた人間の歴史を見てしまう。
紀元前から、現代まできっと人間は同じようなことで苦悩しているに違いない。

本作の中でも多く出てくる言葉。「人間は結局同じ」
そして男と女のことで悩み続けるのだ。

永遠はないが、人間が存在する限り、これは永遠なのではないだろうか。

そんな、時間について思いを馳せる映画である。


ちなみに内容はホラーだと思う。笑
終始、女の狂気が漂っていて、それも怖いが、
それがわたしのなかにもありそうな、嫌なリアリティが一番怖い。
わたしは彼女とは違う、とは言いきれない自分の中に怖さがある。
不気味でどことなくグロテスクな世界観を美しく描いてしまうのは、
キムギドクだからこそ為せる、もはや職人技。

映画に対する実験的な精神
整形大国、韓国の社会問題
人間の根元的部分をえぐる作家性

これ以外にもこの作品の要素はまだまだありそうだ
キムギドクにしか撮れない、非常に多面的な作品。
そして相変わらず美しい。☆5つ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • ファンタジー
  • ゴージャス
  • 不思議
  • 不気味
  • 恐怖
  • 知的
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