物語として観た場合
- 沢口なつき さん
- 2015年6月13日 0時13分
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- 総合評価
日常を送っていたら突然自爆を言い渡され淡々と受け入れ、決行の明日が刻々と近付く・・・
それからは家族と話してるだけ、身支度を整えているだけ、これらが全てサスペンスとなり凄い緊張感を与える
無双状態、何をやっても息が詰まってくる
そして自爆する青年に感情移入してなりきり、非日常を体験するという意味ではファンタジーでもある
しかし、中盤で自爆を一旦中断してしまう
そこで緊張感がぶつ切りとなりトーンは下がっていく
きっと観客ほとんどがそう感じたと思う
私はそこで気づいてしまった、人間の残虐性に・・・!
これは物語が面白くなる鉄束の「期待は裏ぎらずに予想は裏切る」に反してしまったためである
ここで言う「期待」とは自爆の事である
あくまでも自爆すること前提で皆観ていたのでガッカリ、緊張感が途切れてしまったのである
「なんだ、死なねぇんだ」というタメ息だ
そしてラストで一旦中断したサイードが再び自爆を決意するシーンで観客は安心する
今度は「本当に死なないんなら拍子抜けだった所だよ、良かった」という安堵のタメ息だ
これがきっと良識的なパレスチナ人がこの映画をみていたら違ったと思う
「死なないで良かった」になるはずだ
所詮、いくらここでわかったようなことをレビューしても対岸の火事、他人事なのだ
人間は他人が痛くても結局は自分は痛くないのだ
あ~いやだ、いやだ
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- 不気味
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