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アフター・ウェディング
2007年10月27日公開

アフター・ウェディング

EFTER BRYLLUPPET/AFTER THE WEDDING

1192007年10月27日公開

kin********

4.0

ネタバレあざなえる縄のごとく

インドで孤児のためにボランティア活動をしているヤコブは、資金難から閉鎖されようとしている孤児院を救うため、故国デンマークのスポンサーの要求に応じて、二十年ぶりの帰国を決意する。 彼と会ったスポンサーの大企業社長ヨルゲンは、寄付する先をまだ決めかねていると言い、彼を週末の娘の結婚式に招待する。 仕方なく結婚式に出かけて行った彼は、そこで昔インドでケンカ別れして帰国してしまった恋人のヘレナに再会する。彼女はヨルゲンの妻となっていた。 そして今まさに結婚しようとしているのは、ヤコブとヘレナの娘だったのだ・・ 「アフター・ウェディング」とは言いえて妙なタイトルだと思った。 ヨルゲンの娘の結婚式のあと、様々な秘密が明らかになり、ドラマが起こっていくのだが、それと同時に結婚生活というのはそのあとの方がずっと大変で、いろいろな困難を乗り越えるしかないものだという意味がこめられているような気がする。家族って、夫婦ってと、考えさせられる映画だ。 主人公のヤコブを「どこかで見た顔だなあ」と思って見ていたのだが、「007カジノロワイヤル」の悪役だったそうだ。どうりで! なかなかの熱演で、複雑なヤコブの心境を見事に演じていた。 ヨルゲンにも実は秘密があり、すべてを知ってヤコブを呼び寄せたのだ。 ある計画を実現するために。 一代で会社を築き上げた男らしく、彼は強引で、有無を言わせず人を屈伏させるのだ。 反感も抱くのだが、家族には惜しみない愛情を心から注いでいるのがよくわかる。 愛と憎しみ、裏切り、孤独、和解、受容とさまざまな感情が渦巻くなか、意外な結末を迎える。 いろいろな感情がこみ上げる映画だが、私は二つのことを特に感じた。 「愛は血縁を超える」ということ。 そして当たり前だけれど「人は自分の望んだようには生きられない」ということだ。 どんなに努力して、目標どおりに進み、すべて望みのものを手に入れたと思っても、思わぬことで足をすくわれるのが人生である。 怒り嘆いても、その天命を受け入れて、その中で最善のことをしていくしかないのだ。 そして、たとえ血の繋がりがなくても、本当の親のように子のように、心から愛し合うということも人間にはできる。 自分の子が可愛いというのは動物の本能のようなもので、言いかえれば自分が可愛いということである。 他人の子でも心底愛おしむというのは、ずっと尊い気持ちだとしみじみ思えた映画だった。

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