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ミッドナイト イーグル (2007)

監督
成島出
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  • みたログ 2,266

3.03 / 評価:942件

これはひどい…

  • 和製ズィーマン さん
  • 2020年7月14日 23時32分
  • 閲覧数 1392
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

フィクションなんだから、リアリティに拘るなという向きもあるだろう。

主人公が暗闇の中で写真撮影をすることについては、山の夜景撮影が目的で予め超高感度フィルムがカメラに装填されていたことにしよう。
北朝鮮の工作員たちが、日本の冬山で自衛隊の精鋭部隊を壊滅させるほどの実力を持っていることについても、今西錦司の顰に倣って白頭山で冬山訓練を積み重ねた賜物であると脳内補完しておこう。(作中では、特に「北朝鮮」と断っていないが、「工作員」という表現からして北朝鮮を意識していることは間違いないだろう。尤も、工作員というのは北朝鮮以外の国にも無論、○べログや○ahoo!映画にも存在するが…笑)
民間人の主人公に機密事項をペラペラしゃべる自衛隊のキャリア将校や、小汚い髭を生やしたチョイ不良(ワル)風総理大臣についても、フィクションだからまあ許そう。
民間人でしかない主人公が、プロの軍人相手に互角以上の銃撃戦を繰り広げるというのも、フィクションの「あるある」だ。(「カサンドラ・クロス」のリチャード・ハリスとか)
敵の撃つ弾が主人公に当たらないというのも同じくだ。

しかし、そのような部分に目を瞑っても、様々な設定が破綻しまくっている。

元戦場カメラマンの主人公と新聞記者であるその後輩は、穂高の山中に墜落した米軍のステルス爆撃機「ミッドナイトイーグル」を捜索途上、ビバーク中に突然工作員たちから銃撃を受ける。
なぜか工作員たちは離れた場所から主人公のいるツェルトを狙う。
こっそり忍び寄って至近距離から撃てば確実に仕留められるのに…。
主人公たちの持っている武器代わりになるものなど、ピッケル(「アイス・アックス」というのが今風?…笑)とナイフぐらいで飛び道具など何もないはずなのに、工作員たちは主人公に近づかない。
弾が当たらないこと自体は、先述どおりフィクションだからいいとしても、これはいただけない。
主人公たちは、銃撃を受ける→逃げる→また銃撃を受けるをグダグダ繰り返す。
ベテラン登山者しか通れない難ルートを辿って逃げるなどの工夫もない。
工作員たちが主人公を仕留めないことに何か意味があるのかとも思ってみたけど、結局意味など何もなかった!

さて、肝心の「ミッドナイトイーグル」であるが、それに積まれているのが、時限装置付き(!)の水素爆弾(特殊爆弾)って一体何なんだ?
一体、どういうシチュエーションで、どんな使い方するんだ?
ミッドナイトイーグルから目標に向かって投下するのではなく、北朝鮮のどこかにこっそり運び込んで、「007ゴールドフィンガー」のクライマックスシーンみたいな使用法を想定したものなのだろうか??(アホな…)
まさか、映画スタッフ(あるいは原作を書いた作家先生も?)たちは、「ゴールドフィンガー」を見て、核爆弾には時限装置が付き物とでも思い込んでいるのだろうか?

自衛隊はミッドナイトイーグルの墜落機体を包囲している工作員たちを攻撃すべく、猛吹雪を突いてヘリを出撃させる。
対戦車ヘリAH-1コブラが離陸していくシーンが映される。
なるほど、ガトリング砲やロケット弾の攻撃で工作員たちを殲滅しようというのか…と思って見ていたら、何と、現場上空に到達したヘリは輸送ヘリUH-1に変わっている!
これでは、兵隊を降ろさない限り、まともに工作員たちを攻撃できないではないか。
案の定、敵に近づきすぎて対戦車擲弾(RPG)を命中させられるという体たらく…。

すったもんだの末、政府は米軍に攻撃を要請する。
その攻撃に使用される兵器というのが、ナパーム弾頭付き(!)のトマホーク。(しかも、それが潜水艦に常備されている模様…)
ある意味、時限装置付き水爆という珍兵器を攻撃するのに相応しい兵器というべきか…。
毒をもって毒を制す…珍兵器をもって珍兵器を制す。
作中の説明によると、水爆を誘爆させることなく半径2キロを焼き尽くすとか。
事件現場は、作中では「穂高の尾根」というだけで特定はされていないけど、それが「吊尾根」なら山小屋が5つほど丸焼けになるだろうし、「中尾根」なら上高地に相当の被害を及ぼすことになるだろう。
それに、多くの人々が北アルプス山上に巨大な火球を目撃することにもなる。
主人公たちと同じような、登山の得意なジャーナリストたちが、これまた主人公たちと同じように、登山口を封鎖している自衛隊のスキをついて、続々と穂高に入山してくることだろう。
主人公の遭難死などという捏造記事ごときで事件を闇に葬り去ることなど、200%あり得ないと断言できる。

また、不思議なことに、トマホークが発射されると、あれほど吹雪いていた山が嘘のように晴れ渡る。
格好の攻撃のチャンスなのだから、米軍にトマホークを空中で自爆させてもらい、先述のAH-1で工作員たちを攻撃すれば被害は最小限で済む。
結局、主人公たちの死に一体何の意味があったというのだろうか??

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