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恋するマドリ (2007)

監督
大九明子
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  • みたログ 1,057

3.17 / 評価:338件

女性監督ならではのセンス

  • cyborg_she_loves_me さん
  • 2018年2月11日 2時34分
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

 これを作った監督のことはまったく知らず見始めましたが、最初の15分ぐらい見たところで、この監督、ぜったい女性だ、と確信しました。
 ガッキーちゃんの髪型が、場面場面の空気をうまく作るように、ものすごく緻密に考えられています。それから、衣装とか、何気ない沈黙のあいだの表情とか、じつに繊細な演出が見事に成功していて、主人公のユイちゃんの微妙な心の動きがしっかりと伝わってくるように作られています。
 美大に通う女子学生と、一級建築士の才女。2人の女性の美的センスや複雑な心情の動きを、これだけ繊細に、でもしっかりと描くことは、おれたち男性には不可能だな、と思いました。

 それに比べると、この大野っていう男、少なくとも私は、長いこと生きてきたけどこんな男見たことねーよ、と思いました。
 オタクと形容できるほど趣味のためならまっしぐら、他の何も目に入らない。それでいて、女嫌いにも、ストーカーにもならず、ちゃんと1人の女性だけを真面目に好きになれて、ピントは思いっきり外れてて不器用ではあるけれど、彼女のために部屋を用意したり、家具を工夫したり、必死で尽くそうとしてる。
 これって、女性の目から見たある種の理想の男性像なんだろうなと思いました。そりゃぁもしこんな男が本当に実在したら、ぜったい手放しちゃいけませんよ、女性の皆さん。もし本当に実在したら……ね(笑)。

 それから、決して爆笑するようなものじゃないけれど、うんうん、と、にこっと笑えるこの絶妙な笑いのセンスも、とてもいいと思いました。ヘラクレス運輸の人たちの、馬鹿がつくほど正直な仕事ぶりを見てニコッと笑うユイの表情。うん、そうそう、と、こっちまでにっこりとあったかい気持ちになりました。

 そんな映画です。

 ストーリーには起伏は何もありません。結末も、予想通りで、こっちの度肝を抜くようなものは何もありません。ドキドキ・ハラハラの意外性がないとがっかりするという方は、見ない方がいい映画です。微細な部分、暗示的な部分にこそいろいろなことを感じるような人向けの映画です。
 演じている誰かにではなくて、この映画に、恋をしたような気持ちになりました。

 今では人気も確立した新垣結衣さんですが、映画初主演でこんな素敵な監督と作品にめぐりあえるって、幸せだなと思いました。

詳細評価

物語
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音楽

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