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崖の上のポニョ (2008)

PONYO

監督
宮崎駿
  • みたいムービー 5,780
  • みたログ 1.8万

3.55 / 評価:9914件

解説

大ヒットを記録した前作『ハウルの動く城』以来4年ぶりに宮崎駿監督が手掛けた心温まるファンタジー。アンデルセン原作の童話「人魚姫」を基に、人間になりたいと願うさかなの子と5歳の男の子の友情と冒険を生き生きと描く。『風の谷のナウシカ』以来長年宮崎作品の音楽を担当してきた久石譲が今回も音楽を担当し、美しい音色で作品を盛り上げる。CG映像全盛の今だからこそ、あくまで手描きアニメーションにこだわった驚異の映像は必見。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

5歳の少年宗介は、海辺の小さな町のがけの上の一軒家で暮らしていた。市街地から外れた彼の家の周囲には何もさえぎるものはなく、ただただ青く美しい海と空が広がっている。仕事で留守になりがちな父親の不在を寂しく思っていた宗介だったが、ある日、浜でさかなの子ポニョと出会うことでその寂しさも忘れ、やがて2人は強いきずなで結ばれていく。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2008二馬力・GNDHDDT
(C)2008二馬力・GNDHDDT

「崖の上のポニョ」日本人の萎えた心を蘇生させる、純度の高いファンタジーの傑作

 一途な想いを募らせて荒れ狂う波の上を全速力で走って走って跳躍し、どこまでも少年を追いかける少女――。横溢するパッションと歓喜のデフォルメに、アニメならではの幸福感が凝縮される。そう、幼少期にまで遡らなければ、もはや世の中を肯定することなどできないとばかりに、宮崎駿は臆面もなく5歳児や恋する人魚の主観になってみせる。ストーリー性よりも、こうあるべき慈愛に満ちた世界と高揚する映画的な瞬間が優先されるのだ。

 ただし、ポジティブ思考の塊にも思える本作の背骨には、現状への痛烈なアンチテーゼが貫かれている。「ハウルの動く城」までに自分たちが積み上げてきた高度な表現技術の否定。手描きの絵を動かすという素朴なアニミズムによってこそ、生きとし生ける者に宿る生命感は謳い上げられる。さらに、「ゲド戦記」に象徴される息子世代の虚ろなエピゴーネンへの嘆き。強い意志もなく、観念や打算だけでは映画は生まれないという戒めだ。狂おしいまでの熱情によってこそ、生きる力が発揮されるという構造もそのために思える。そして根っこにあるのは、子供たちの可能性を奪う閉塞した現代への憤り。批判精神を押し込め、希望へと反転させた豊かな映像には凄味さえ備わり、宮崎の祈りにも似た切実な次世代への想いが全編にみなぎっている。これは、あふれんばかりのイマジネーションの大津波を浴びせかけ、日本人の萎えた心を蘇生させる、純度の高いファンタジーの傑作である。(清水節)

映画.com(外部リンク)

2008年7月17日 更新

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