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ラッキー・ユー (2007)

LUCKY YOU

監督
カーティス・ハンソン
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3.18 / 評価:120件

解説

恋もゲームも駆け引きがすべてのポーカープレーヤーが、駆け引きなしの純粋な女性と触れ合うことによって孤独の殻を破っていく人間ドラマ。クールで攻撃的な天才プレーヤーを『ミュンヘン』のエリック・バナ、まっすぐに生きるシンガーをドリュー・バリモアが好演。『イン・ハー・シューズ』のカーティス・ハンソン監督が、プロのポーカープレーヤーを出演させ、緊張感と高揚感を味わえるゲームシーンを描き出した。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

天才ポーカープレーヤーのハック(エリック・バナ)は、家庭を捨てた彼の父親で伝説的プレーヤーのLC(ロバート・デュヴァル)に対して複雑な感情を抱いていた。うそとズルと泥棒は許さないというピュアなビリー(ドリュー・バリモア)との出会いによりハックの心もほぐれていくが、ポーカー世界大会で父と勝負することになり……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) 2007 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
(C) 2007 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

「ラッキー・ユー」陰惨になりやすい世界を微笑と苦笑の風が吹き抜けていく

 映画の電圧が高いわけではない。火傷しそうな緊張感が伝わってくるわけでもない。ポーカーが題材なのに、と不満げに口をとがらせる人はいるかもしれない。だが一方では、ポーカーのだるさがよくわかる、いつまでたっても勝負がつかない感じもよくわかる、と思う人もいるのではないか。

 「ラッキー・ユー」は、口のなかに不思議な後味を残す映画だ。いま述べたように、ペースはゆるい。「シンシナティ・キッド」や「ラウンダース」と比べても、格闘技的要素(肉を斬らせて骨を断つ)や短距離走的印象(勝負は一瞬で決まる)はかなり薄い。散歩のように、とまではいわぬにせよ、主人公ハック(エリック・バナ)の生活と勝負はたらたらと進んでいく。なるほど「引くべきところで引けない」という性格的欠陥は指摘されている。父親でも師匠でもあるL.C.(ロバート・デュバル)との対決という「ポーカー映画」の定石も押えられている。が、監督カーティス・ハンソンの眼は、どこか別の場所に向けられているようだ。

 だからこそ、ハックと歌手ビリー(ドリュー・バリモア)との恋も、物語の柱を背負わない。むしろ彼女は、父と子の戦いを見届ける役を担わされる。その父子対決も、骨肉相食む死闘にはならない。つまり「ラッキー・ユー」は、いつ陰惨になってもおかしくない世界を描きつつ、微笑や苦笑の風を吹き渡らせている。描かれているのが1950年代のワーナー映画に出てきそうな世界なのに、描く際のタッチが、まるであの時代のTVが得意としたファミリー・ドラマなのだ。ハンソンは、「執念と職業の溶かし方」について考察をめぐらしていたのだろうか。だとすれば、「ロッキー的栄光の不在」や「破滅の不在」にも納得がいく。ポーカーは今日で終わらず、生活も明日で終わらない。(芝山幹郎)

映画.com(外部リンク)

2007年6月21日 更新

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