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タラデガ・ナイト オーバルの狼

タラデガ・ナイト オーバルの狼

TALLADEGA NIGHTS: THE BALLAD OF RICKY BOBBY

121

mar********

3.0

NASCARと南部白人

ウィルフェレルの「俺たち」と邦題がつく一連のコメディは、「俺たちニュースキャスター」が爆発的に面白いのを除くと実は出来が良いのがあまりない 「俺たちフィギュアスケーターズ」なんて、個人的には笑いどころがほんのちょっとしかないように思ったが 日本ではやたら評判が良いようなので、おそらく自分がおかしいのだろうと納得させていた が、どうもアメリカのMetacriticやIMDBなどの映画サイトを見ていると、やはり「フィギュアスケーター」は本国では評判があまりよくないようだ というか「ニュースキャスター」と「タラデガナイト」以外は良くないというのが実際の評価のようで、(フェレル主演作まで広げると「エルフ」「メガマインド」「LEGOムービー」も評価が高い) 事実「アザーガイズ」「ステップブラザーズ」「ダンクシューター」などはギャグ単体で見れば何個かイイのがあるが全体として見ると決して賞賛するような出来ではない ハッキリ言ってSNLのウィルフェレルのコントを見た方が100倍笑える 同じように評判と出来が乖離しているように思われるのが「サボテンブラザーズ」で、 アレも日本でなぜかやたら人気があるが、本国では失敗作に近い評価のようである 実際「サボテン…」はスティーヴマーティン作品の中では相当面白くない部類に入ると思う さて、タラデガナイトだがこの映画は基本的にNASCARと南部白人をネタにして笑いを作り出している アクセント、食生活、ファッションセンスなどのズレを大げさに真似ることで皮肉ってるわけで、差別的な笑いと言えなくもないがよく出来ている BGMに流れるのもモトリークルーとかサライヴァみたいな安っぽいハードロックとカントリーが主体で、製作者のそういった音楽への明らかな悪意が感じられて笑える しかし、「ニュースキャスター」ほど笑えるかと云うとやはりそこまではいかない シーンごとにブツ切りの感が否めないし、モリーシャノン演じるアル中の奥さんやイアンロバーツのピットクルーなど出てきても笑いに繋がらないキャラクターが多かった それに今までサシャバロンコーエンはひたすら面白いとおもっていたのだが、冷静に彼がこの映画でやってる事を考えてみるとバリバリの人種差別であり、おそらくフランス人はこれを笑えはしないだろう 「人種差別をカリカチュアにすることで差別すること自体を笑う」とかってノリではなく、ストレートに馬鹿にしてるように見受けられるのだ 考えてみればボラットとブルーノも当事者の国からは猛批判されていたわけで、仮に彼が日本人という設定でああいうネタをやったら「反日」扱いされ総バッシングを受けているだろう また、フランス人を馬鹿にしたネタももっと腹抱えるくらい面白ければ何も気にならないのだが、そうでもないので差別的な面が気になってしまうのかもしれない ただ、邦題を「俺たちカーレーサーズ」とかにせず単に「タラデガナイト」にしているのは良かったと思う ハッキリ言ってウィルフェレルの作品になんでもかんでも「俺たち」を付けているのはウェィアンズ兄弟の作品全てに「最○ナントカ計画」と付けているのと同じ愚挙だろう アダムマッケイもオスカーにノミネートされた事だしもう「俺たち」は廃止でどうだろうか

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