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酔いどれ詩人になるまえに (2005)

FACTOTUM

監督
ベント・ハーメル
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3.68 / 評価:98件

このレビュー彼になったつもりで書いてみた

  • rock_abe_lee さん
  • 2007年10月14日 18時57分
  • 役立ち度 16
    • 総合評価
    • ★★★★★

まず初めに言っておこう。オレは今までブコウスキーの作品は1册も読んだ事はない。チャールズ・ブコウスキーその人に関しても予備知識ゼロの状態で映画館に足を運んだ。まあ名前がウイスキーに似ているから、酒好きなんだろうなあとは思っていたが…(失礼)。オレがこの映画に興味を持った理由はただひとつ、あのマット・ディロンが落ちぶれたアル中詩人役をどう演じるのかという一点に尽きる。マット・ディロンといえば83年の「アウトサイダー」の不良少年役で鮮烈な印象を残し、その後の「ドラッグストア・カウボーイ」(89年)でもジャンキーのワル役をリアルに演じてみせた実力派俳優である。ところがそれ以降あまり名前を聞く事がなく、同じ「アウトサイダー」に端役で出ていたトム・クルーズは大スターとなり、今やディロンと同じ様なタイプの後輩、ブラッド・ピットやジョニー・デップがスクリーンを占領する御時世である。しかし彼らがブレイクするのは90年代に入ってからであり、その先がけにはいつもマット・ディロンがいたのだとオレは思う。詳しい事は分からないが、この人はあまり作品に恵まれていなかったのでは。俳優として彼はブラッド・ピットやジョニー・デップよりも断然光るものを持っていると思うのだが…(ちなみに3人とも1964年生まれである。そしてこのオレも)。
映画の話に入ろう。マット・ディロン演じるチナスキー(モデルはブコウスキーの下積み時代)は、大の酒好き・女好きで定職もままならないありさま。バーで知り合った女と暮らし始めるが、いさかいの末別れたりまたくっついたりのだらしない日々を送る。新しい職についてもアル中が原因ですぐクビになり、新しい女と出会ってもまた別れを繰り返す(しかし女にはモテるのが救いだ)。しかし彼にはいつか作家になるという夢があり、毎日欠かさず投稿だけは続ける。自墜落で一見無気力なようだが物を書く事の執着心だけは忘れない、愛すべき無頼派。
この映画は派手な盛り上がりやメリハリには欠けるものの、見終わった後、なぜか温かい気持ちになれる。そして救いようのない人生だけど、
こういう生き方もありかな、と思わせてくれるのはまぎれもなくマット・ディロンの好演につきる。役になり切ったというよりも、彼自身の不遇時代を役に投影したからではないだろうか。全盛期よりもはるかに贅肉のついた巨体のディロンの背中からは濃厚な哀感が漂う。しかしあのマスクである。不様な役を演じてもやはり魅力的だ。この映画が暗く陰惨な感じにならないのは、あきらかにマット・ディロンが主役を演じているからである。
文壇に決して媚びを売らなかったと言われるブコウスキーだが、オレもこのレビューを彼になったつもりで書いてみた。「よいユーザーレビューの書き方」に、なるべく客観的に書く事、とあるがあえてそれを無視させてもらった。このレビューを誰も参考にしてくれなくても構わない。書きたい事だけを書く、それこそがこの映画から学んだことなのだから。

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