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逃亡くそたわけ-21才の夏 (2007)

監督
本橋圭太
  • みたいムービー 89
  • みたログ 103

3.44 / 評価:34件

地図も標識もない中で突っ走れ。

  • 夢見る少女 さん
  • 2009年1月15日 23時14分
  • 閲覧数 812
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

私にはツボだった。
九州に縁のある人、精神病に興味ある人はハマる。

精神病院(プリズン)からの逃避行。
躁病患者と鬱病患者の当てもないドライブ。

東京出身のふりをするなごやんは人間の精神は言語によって規定されるからと名古屋弁でしゃべらない。
一方、あでやかな幻覚と幻聴に苛まされる花ちゃんはばりばりの博多弁だ。

「東京のどこがいいと?」と博多人は訊く。
「東京なら安心なのかも、中心だから。自分の居場所がいつも分からない。」
「君は博多に生まれて博多に帰れるからいいよな。」

百道浜に赤坂のけやき通り、キャナル、マリノアか。
福岡から阿蘇や宮崎市内を通り、鹿児島へ。

逃げる逃げる、どこまでも逃げる。
無免許の危なっかしい運転で。
「どこまで行くの?どうせ行き詰まるよ。」
「逃げれば逃げるほど追い詰められる。」
「逃げることはできても逃げ切ることはできない。」

「家族や友達と分かり合えないと絶望する。
しかし、そもそも分かり合えると思うことが間違いなのだ。
人は見たいようにしか見ない。
人と分かり合えることを想定すること自体間違っている。
人間の欲望は他者との相関性にしかない。
自分が思うことや考えることが純粋に存在しているわけではないから、誰かと分かり合えると思っていることが間違い。
分かり合えないのが当たり前。」

今という時間はもう来ない。
だから、私は今を精一杯生きる。
地図も標識もない中で、危なっかしい運転で、私は突っ走る。
躁になったり鬱になったりしながら。

何かから逃げようとしても、逃げ切れない。
この社会から逃げ切れない。
承認の欲望がある限り、他者との関係性から逃れられないから。
私はそうやって他者との関係の中で自我を形成していくのだ。
互いに認め合いたい。
認め合いたいと思う意志を持ち続けたい。

詳細評価

物語
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演出
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音楽

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