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転々 (2007)

監督
三木聡
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4.04 / 評価:876件

解説

借金を抱えた主人公が100万円の謝礼と引き換えに借金取りの散歩に付きあうコミカルな味わいの人間ドラマ。“脱力系”の代名詞で独自の映像世界を築いている三木聡監督が脚本も務め、直木賞作家・藤田宜永の同名小説を映像化。テレビドラマ「時効警察」シリーズで三木と組んだオダギリジョーが主演するほか、散歩を提案する借金取りを三浦友和が妙演。本筋とは無縁の小ネタ満載の三木ワールドはそのままに、秋深まる東京の風景がドラマを切なく包みこむ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

幼いころに両親に捨てられた孤独な大学8年生の竹村文哉(オダギリジョー)は、いつの間にか84万円もの借金をこしらえ、返済の期限があと3日に迫っていた。しかし、その期限の前日、文哉は借金取りの福原(三浦友和)から借金をチャラにする方法を提案される。それは、吉祥寺から霞か関まで歩く“東京散歩”に付き合うことだった。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2007「転々」フィルムパートナーズ
(C)2007「転々」フィルムパートナーズ

「転々」ついに本気を出した三木監督の最高傑作

 三木監督の前作「図鑑に載ってない虫」と同じく、ロードムービーとして始まる本作。とはいえ、妻を殺した借金取りと借金まみれの大学8年生がテクテク東京散歩。前作のように、アメ車をブッ飛ばすようなグルーブ感は……ない。ちなみに、このダメ男2人のゴールは桜田門にある警視庁。三浦友和扮する借金取りの自首が目的だが、いつもゴール(=着地点)が見えない三木作品では考えられないことだ。だが、これが定まったことで、ショート・コントの集合体にも見える、これまでの作品に比べ、映画としてのクオリティが一気に高まった。

 さらに、後半には小泉今日子扮する場末のバーのママも巻き込んだ擬似家族による、偽ホームドラマに突入。そこで、監督お得意の小ネタにしか見えなかった前半のセリフやギャグがここに至る伏線だったことに驚かされる。さらに、遺体が第三者に発見されては自首にならないという、プチ・サスペンスも同時進行しながら、ラストではまたも三木作品に無縁だった、しんみり感動のサプライズが用意。「時効警察」でのコラボも記憶に新しいオダジョーを主演に迎えるだけでなく、あの相棒も登場させるなど、ファンサービスも忘れない三木監督。ついに本気を出したか、「時効」の存在も知らない観客も唸らせると同時に、岸部一徳を探したくなる最高傑作を生み出した。(くれい響)

映画.com(外部リンク)

2007年11月8日 更新

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