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ミヨリの森

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4.0

自然特集第一回

夏も盛りを過ぎた今日この頃。 私の住む辺りは山が多いので、 大学も林業系にすることに決めました。 というわけで、 今回から何となく森関連の映画を中心に レビューしようと思います。 記念すべき第一弾は『ミヨリの森』!!! なのに・・・ ちょっと! 森の映画だってのに、 全然森っぽくないんですけど! 森、山ってのはもっと 薄暗くって不気味で汚らしくて臭い。 こんなにきれいきれいじゃ、 まるでニュータウンの散歩道じゃねえか。 まして、 夜に山ん中歩こうだなんてちょっと怖すぎだよ。 足踏み外すよ。 まあ、 百歩譲って闇夜の中を平気で歩くのは良しとしても、 動物がいない。 虫も全然いない。 山といえば狭い道と腐った木切れと 馬鹿でかい蜘蛛の巣に尽きる。 他にも無数の蝶やガやハエがブンブン飛んで、 蜂までいる。 そうすると今度は山の音がしなくなる。 セミさえ鳴いてりゃ夏だと思って、 他の音をほとんど入れないという暴挙。 挙句の果てが風が吹いても動かない木々。 あのさ、ちゃんとリサーチしたわけ? 木が生えてりゃ森だと思ってやしない??? 森のにおい立つ描写がゼロ。生命感の全くない。 こういう言い方はあれかもしれないが、死んだような森だ。 そして、 山が死んでりゃ他の季節感の描写も死んでいる。 背景の山々は素晴らしいが、 出てくる人が汗かいていないのはなぜ? ミヨリたちはいいとしても、 あの長袖長ズボンにライフル担いだハンターたちが 涼しい顔してて、もうありえない。 もっと『トトロ』のような夏らしさを 演出する方法があっただろう。 暑さを描ききれていない。 描かれていないといえば、 何もかも中途半端で全然描ききれていない。 まあ、山や森は描ききれなくてもいいとしてだ、 あの大きな合掌造りの家が全然でてこないのはひどすぎる。 で、肝心の森の精霊もさっぱり描きれていない。 精霊で思い出せるのはいつも回りにいた3人と、 ちょっと出てきた数人くらいで、 あの何十人もいたほかの大多数はさっぱり出てこない。 最後のハンター脅しのために出していたのか? この際、 ダムも何もなくしてミヨリと精霊の交流を、 描くだけにしたら良かったのではないだろうか? 要素がありすぎて、散漫な印象。 とまあ、 目に付くのは悪いところばかりなのだが、 私は理屈抜きで今作が好きだ。 環境問題なんかはっきりいってどうでもいい。 今作はそんな当たり前の事を言ってはいっていない。 第一、環境問題だったらダムを悪くいえない。 日本の森がなくなるのは、世界のどの森がつぶれるのより問題である。 日本は森とともに発展してきたわけだから、 その風景がなくなるのは文化的な破滅である。 あらゆる文化財も、自然の風景を元にしてるのだから、 その元がなくなってしまったら日本でなくなる。 だから、森を壊してはならないのだ。特に日本の森は。 今作は、 そういう込み入った事情を精霊たちを通して まとめるつもりだったのではないのかな? 子供にも分かりやすく、 『日本人は森の民族だから、  森なくしたら民族としてのアイデンティティーを喪失するのだよ』 を 『森には優しい聖霊たちがたくさんいるから、  むやみに彼らの住処を奪ってはならないんだよ』 というふうに。 最も、昔から八百万の神見たいに日本人は森を見ていたから、 そんな風にむずかしく考える必要もないのかもしれない。 ただ綺麗で静かなところを守るというのが、 突き詰めて考えた結果になるのかな? 物語が散漫な上に、絵が雑で、広がりと現実味に欠けた、 不自然な自然の映画ですが、 深く考えさせてくれる映画です。 見ると、自然の大切さが骨身にしみる映画です。 次回は『平成狸合戦ぽんぽこ』です。

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