レビュー一覧に戻る
ヘアスプレー
2007年10月20日公開

ヘアスプレー

HAIRSPRAY

1162007年10月20日公開

一人旅

5.0

J・ウォーターズ版と併せてどうぞ

アダム・シャンクマン監督作。 歌とダンスが大好きな夢見る女の子の恋と奮闘を描いたミュージカル。 カルトの帝王:ジョン・ウォーターズの『ヘアスプレー』(1988)を基にした2002年のブロードウェイ・ミュージカルの映画化で、主人公のぽっちゃり女子を新人:ニッキー・ブロンスキーが好演しています。 1960年代前半のボルチモア。地元の人気テレビ番組「コーニー・コリンズ・ショー」へのレギュラー出演を夢見る16歳の女子高生:トレーシーはオーディションに参加、見事番組レギュラーに選ばれる。やがて地元の人気者となっていったトレーシーは、テレビ局幹部の性悪な母娘と「ミス・ヘアスプレー」の座を賭けて争うことに…という“ぽっちゃり女子のサクセス・ストーリー”を、画面を彩る数々のミュージカルシークエンスに乗せて活写しています。 ジョン・ウォーターズのオリジナル版の特徴の一つ=“毒っ気”が丁度いい塩梅で抜けて、老若男女が安心して愉しめるサクセス型のミュージカルコメディに仕上がっています。人種差別が色濃く残っていた60年代アメリカ社会を背景にした作劇はオリジナル版を踏襲していますが、なかなか強烈なブラックコメディが随所に見られたオリジナル版とは作風が異なり、本作では差別撤廃に向けた主人公の奮闘がちょっぴり真面目に描かれています。人種差別を作劇の大きな背景として、主人公の初めての恋や女友達との友情、家族の絆、性悪なライバル母娘とのミスコン争いといった多種多様な群像ドラマを織り交ぜつつ、観客に最大限のカタルシスを味わわせてくれる大団円のフィナーレミュージカルへと雪崩れ込んでいきます。 主演のニッキー・ブロンスキーが恋にダンスに差別撤廃に奮闘する主人公を溌剌と好演していますし、主人公のおデブな母親をジョン・トラヴォルタが女装姿で怪演しています(異彩レベルはオリジナルのディヴァインに軍配)。また主人公の風変りな父親:クリストファー・ウォーケン、性悪な局の女幹部:ミシェル・ファイファー、主人公と恋に落ちる番組人気者:ザック・エフロンもそれぞれ好演しています。

閲覧数1,762