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ヘアスプレー
2007年10月20日公開

ヘアスプレー

HAIRSPRAY

1162007年10月20日公開

つとみ

3.0

ありのままの自分を好きになるために

ボディもハートもビッグサイズの主人公・トレイシーの目覚めたところから今作は始まる。街の営みそのものが彼女の為にリズムを刻むオープニングは、「シカゴ」でもそうだったように現実と音楽を緩やかにつなげる自然さがある。 「外見なんて関係ない」「好きなことに夢中でいたい」というトレイシーの姿勢は微笑ましく、彼女を中心として少しずつ周りが変化していくハッピーな映画なことは間違いない。 ただ、歳をとったこと、さらに最近太ったこともあって、一番目がいってしてしまうのは彼女の母親・エドナのほうだ。 あそこまで諦観してはいないけど、魅力の衰えを感じていじける姿には同情以上のものがある。それをトラボルタが演じているのだから素晴らしい。なんかちょっと可愛く見えてきちゃったりして…。 本作の舞台は1960年代のボルチモアで、時代も場所も人種差別のボーダーライン上。 現代を考えると「逆にそれって差別的なんじゃ?」なことが白人からの譲歩として登場する。 その一方で、身体能力とリズム感を活かしたダンスのキレに魅了される主人公のように、対等な人間同士として交流を深める人もいる。 正に変革の時代だったんだな、と思いつつ、それでも未だ全ての人間が胸を張って生きているとは言い難い現在に苦い気持ちになる。 映画はハッピーエンドだったのに、何故だかビターな気分になった。 とりあえず、体重のことは気にしないようにしよう。

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