震度0
作品レビュー(22件)
- hsq********
5.0点
WOWOWドラマということで、おそらく映画や地上波放送よりも スポンサーなどの制約を受けにくいのでしょうか。 横山秀夫の警察モノは男が中心となって描かれるため、 映画やドラマになるとそこに女性キャラを新たに投入したりして 本来持つ独特の雰囲気を一般的なものにしちゃうんですが、 この作品はガチで男の権力闘争が描かれているので とても骨太な仕上がりとなっています。 阪神大震災という未曽有の大災害で世間中が混乱している中 それすら対岸の火事のごとくそっちのけで 権力争いと駆け引きをしている警察幹部。 唯一良心をもっていた優秀な幹部が失踪したことで、 警察官としてのモラルがまったくないドロドロのドラマです。 でも俳優さんの演技力もあるんでしょうけど ものすごい緊迫感のまま後半まで進んでいくんですよね。 先の読めない展開のまま、手に汗握る心理戦でした。 家庭を守る妻たちのエゴのぶつかりあいも、 夫たちとは違うスケールでこれまたリアル。 2つの攻防が楽しめます。 同じ監督の同じWOWOWドラマ「ルパンの消息」といい、この作品といい こういうドラマこそぜひ地上波でやってほしいわー
- sou********
4.0点
よく女同士の戦いは、えげつないとか嫌らしいとか言われるけど、男同士の戦いの方がよっぽど怖いし、えげつないよね。 つまり、男の戦いは生存競争なのだ。敗れたら排除されるしかないのだ。 「官僚の夏」というドラマで、次官争いに負けた奴は天下りとかが当たり前で、それは昔も今も同じらしく、なんじゃそりゃと思ったけど、まあこれだけ思いっきりやり合えば、そりゃ勝負が終わった後に、一緒の職場なんかにいられないわけだねえ。 ダンナにはすごく面白かったらしい。 原作を読んでいた私にとっては、原作の雰囲気をよく伝えた良作という印象。人気も実力もある俳優さんばっかだったしねえ。 ただし、オチはどおかなあ?原作になかった気がするし、あんましいらない気もするなあ。 それにしても、改めて考えると、何であそこまでもつれなきゃならないのか不思議だ。やっぱあのエリート若造がもうちょっと現場を立ててうまくやるべきだったんだろうなあ。ということは、まだまだ青いっていうか、力不足ってことですかねえ。
- jackal1979
4.0点
権力と女、正義と真実という人間くささがよく描かれている。 キャスティングも演技派揃いで迫力ある。
- ぽぽ
4.0点
なかなか面白かったです。 横山さんの作品は余り読んでいないのだけど どれも結構評判が良い。 硬派な作品だ。 この作品も警察内部の権力争いに汲々としている人々が 大きなどんでん返しを喰うという話。 人が生きていくという営みの中で 誰が悪いと言い切れない出来事は多い。 が、あの時ああだったら、と思うと 誰かを責めたい気持ちになってくることは多々ある。 一人の警察官の過去の愛情が現在に蘇る。 組織内でのどうしようもないしがらみの中で 過去の愛にしがみつきたくなる気持ちもわかる。 そのときの妻の気持ち。 切ないような感情の中で 感情とは相容れない組織の欲望の渦に飲み込まれていく 抽象的な感想ばかりだけれど、妻の静江の度胸に舌を巻く。 夫が負けた警察への闘争心は激しい。 女の方が度胸があるんだと実感させる。 藤巻(國村隼)と静江(余貴美子)がすごくいい
- noh********
4.0点
N県警本部不破警務課長(西村雅彦さん)が突然の失踪。 それは阪神大震災が起こった日のことでした。 (ちなみにN県警は阪神大震災より700km離れた場所にあります)。 N県警本部主要幹部(階級順です)。 本 部 長・椎野 勝巳(渡辺いっけい さん)警視長・警察庁キャリア。 警 務 部 長・冬木 優一(上川 隆也 さん)警視正・警察庁キャリア。 警 備 部 長・堀川 公雄(矢島 健一 さん)警視正・警察庁準キャリア。 刑 事 部 長・藤巻 昭宣(國村 隼 さん)警視正・地元ノンキャリア。 生活安全部長・倉本 忠(升 毅 さん)警視正・地元ノンキャリア。 交 通 部 長・間宮 民男(斉藤 暁 さん)警視正・地元ノンキャリア。 この6人の県警本部主要幹部(つまり上層部)たちは、阪神大震災そっちのけで、自分たちの保身に走り、キャリア・ノンキャリアそれぞれの次期人事(天下り先や新官舎の入居など)の思惑も絡んで心理戦が展開されます。 (ちょっと絡みすぎかとも思いましたが・・・・)。 指名手配中の男や地下社会の大物人物の登場。 そして、消えた婦人警官の話。 さらに過去の出来事(不祥事など)が徐々に明らかになってきます。 「見つかっていないもの」。 「明らかになってはいけないもの」。 必死に不破警務課長を探し出そうとする主要幹部たち。 だが、それらが自分たちの出世に結びつかないとわかった時。 争っていた彼らは一気に(結束し)もみ消しをはかる方向で動き始めます。 なにがあろうとも、もみ消しをはかろうとする彼ら。 しかし、ラストではそれが覆されることを予感させるような内容で終わっています。 阪神大震災が発生しているのに、N県警の主要幹部たちは何をくだらないことでパワーゲームをしているのか。 けど、誰もが心の底では思っているかも知れない「自分さえ良ければそれで良い・・・」との考え。 この作品を見ていて、それがとても悲しく感じられました。
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