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デス・プルーフ in グラインドハウス (2007)

Quentin Tarantino's Death Proof

監督
クエンティン・タランティーノ
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3.79 / 評価:1185件

解説

映画オタクとして知られるクエンティン・タランティーノ監督が、リスペクトする1970年代から80年代のB級ホラーにオマージュを捧げたエキセントリック・ムービー。グラインドハウスとは、低予算のB級映画ばかりを2、3本立てで上映する映画館の総称で、グラインドハウス映画特有の傷やブレ、リールのダブりもあえて再現した。カート・ラッセルふんする連続殺人鬼と、『キル・ビル』でユマ・サーマンのスタントを務めたゾーイ・ベルが繰り広げるカー・チェイスは迫力満点。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

スゴ腕スタントマンのマイク(カート・ラッセル)は、愛車“デス・プルーフ”に乗り、美女をナンパしては死のドライブに誘っていた。ある日マイクは、テネシー州で豪快なスタントライドを楽しむ3人の女性たちに目をつける。いきなり車をぶつけ、しつこく追い回すマイクにキレたゾーイ(ゾーイ・ベル)たちは、決死の猛反撃に挑む。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) 2007 The Weinstein Company
(C) 2007 The Weinstein Company

「デス・プルーフ in グラインドハウス」よし、それで行け、タランティーノ

 ベイブとブレット。韻を踏めばこうなる。おねえちゃんと銃弾。言い直せばわかりやすい。どちらも楽しいゴミ映画の必需品だ。

 クエンティン・タランティーノも、「ふたつのB」が大好きだ。加えていえば、もうひとつのBことブルシット(与太)にも眼がない。ベイブとブレットとブルシット。アホで楽しそうな並びではないか。この3Bが跳梁する映画が現れると、かならずだれかが眉をひそめる。他方ではもちろん、大喜びする連中がいる。笑えるバランスだ。罪深い快楽、などと殊勝な口を利くことはない。映画とは本来、無責任であってもかまわないものなのだ。ただし、ヘボは困る。退屈や鈍重も困る。要するに、面白くて冴えていれば、世間に対する責任などは取らなくてもよい。

 「デス・プルーフ」のタランティーノは、この原則に従って映画を撮っている。スタントマン・マイク(カート・ラッセル)という連続殺人鬼を暴走させ(今回は車が銃弾の代わりだ)、おねえちゃんたちの素足と尻(ブニュエル同様、タランティーノは素足フェチだ)を執拗に接写していたかと思うと、後半は一転、「ファスタープッシーキャット・キル!キル!」も顔負けの事態が展開する。大胆な転調だ。制度や習慣を2度3度とひねり、細部を入念に築いた上で、タランティーノは自身の体質を解き放っている。よし、それで行け。体質に居直ったというよりも、探していた体質の着地点を彼は再発見した、というべきだろう。(芝山幹郎)

映画.com(外部リンク)

2007年8月23日 更新

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