藍色愛情 A love is blueness

A LOVE IS BLUENESS/藍色愛情

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藍色愛情 A love is blueness
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(1件)


  • a_m********

    4.0

    blue note と 肉食 と

    晴走雨観。天気が悪いので表を走り回ることを諦め、DVDを観ることに。a love is blueness - 恋は藍色、憂鬱な色。その味わいを楽曲演奏に例えれば、F major 7からC major 9のコード進行で劇終。 ストーリーは、舞台女優(ュエン・チュアン、袁泉)と若い刑事(バン・イエミン)が偶然出会うところから始まる。仕事熱心な刑事が短絡的に熱愛モードにスイッチが入ったので、肉食系のラブストーリーかと思って観ていたら、ブルーなミステリーへの展開をみせた。彼女の尋ね人とある事件の容疑者、そして刑事の両親のドラマが、時間軸の延長線上で交わることになる。と書くと、結構複雑なストーリーかと思われるかもしれないが、単に粗筋を追えば、2時間ドラマ並みである。 彼女の舞台劇(劇中劇)と現実のストーリーが並行して進む。CMのように挿入される舞台劇が、ドラマと微妙な関係を保っているようで、ついついセリフの謎解きに頭を持っていかれる。現実のストーリーへの集中を解放し、現実感を薄める効果を狙っているのか。いかにも思わせぶりなのだ。この虚実の境を行くような演出が、話に期待感と膨らみを加えている。(なおこの劇中劇の部分、中国語が解らないので、彼女のセリフは字幕頼りなのだが、訳文の妥当性はどうなのだろう。というのは、いまだに理解できない部分が私には残る。) あまり書くとネタばらしになるが、イントロとエンディングが呼応している。舞台女優は日常のすべてが舞台であり、特に「行為芸術」を標榜する彼女にとっては、一刻一刻がハレの場であり、芸術である。それは良く伝わってきた。男は伝えようとし、女は確かめようとする。これは普遍。 あるいはこういう解釈もできる。女は誰も舞台女優である。どんな芝居かは別にして。この映画はそれを象徴しているのかも知れない。 まだ3本しか観ていない段階で、フオ・ジェンチイの作風をどうこういう乱暴を許してもらいたい。この映画、録音に例えていうなら、女声パート(女優のパフォーマンス)をオンマイクで拾っていて、他のパートとのアンサンブルの中で、ちょっとボリュームが大き過ぎるように私は感じる。但しこれはコーラス好きな私の意見であり、この映画ならュエン・チュアン、ションヤンならタオ・ホン(陶紅)が好きな人なら―きっとたくさん居ると思うけど-むしろ歓迎することだろう。フオ・ジェンチイ。この映画を観て、私は「山の郵便配達」での女優の扱い方がむしろ例外的なのではと感じた。私には、郵便配達のバランスが好ましいが、主題が違うので、評価は人それぞれだろう。 3本に共通するものは、独特の映像美である。思わずキャプチャーしたくなる絵画的な美しさを湛えた場面がいくつかあった。「ションヤンの酒家」では重慶の雨が艶かしく描かれていて、寒色系背景色が、タオ・ホンの耽美的な美しさをひときわ際立てていた。同様に、この映画ではュエン・チュアンがとにかく美しい。カッコイイ。でも、ちょっと怖い。知り合いの中国人が思い浮かんだ。肉食なんだよね。 それはともかく、「C major 9 の響き」でピンとくる人には是非、お薦めしたい映画。 (フオ・ジェンチイの、これまで観た2作以外の作品が観たくなって、借りてきた作品。2007年12月22日自宅にて鑑賞)

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