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スカイ・クロラ The Sky Crawlers (2008)

THE SKY CRAWLERS

監督
押井守
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  • みたログ 2,701

3.31 / 評価:1547件

他人のためだけに生き、常に代替可能な生

  • d4u******** さん
  • 2021年4月17日 23時58分
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

難解だという意見もあるが、全く難解ではない。これを難解だと思う人は人生における経験値が低いだけ。

この映画のエッセンスはタイトルに示した通り。それを身を以て体感した登場人物たちは虚無感の深淵に突き落とされる。クサナギが酒に溺れるのは、そんな虚無感を少しでも紛らすため。進撃の巨人のケニーの言葉を借りれば、「みんな何かに酔っぱらってねえと、やってられなかったんだなぁ」といったところか。

自分の同僚たちが、ひとり、またひとりと置き換えられていく状況を目の当たりにし、カンナミもまた、例外なく虚無の闇へと迷い込むことになる。自分自身が死んでも別の自分が補充され、延々と繰り返される毎日。しかし、それでも、カンナミは自分の境遇に徹底的に抗う。

それは、同じことが繰り返される日々の出来事の中にも違いを見出すということである。それはまた、常に新たな自分によって置き換えられる可能性のある今現在の自分が他の自分とは異なるユニークな存在であること、有意義な唯一の存在であることを肯定する、ささやかな抵抗である。

だがしかし、背景や設定は異なるが、これは私たちが投げ込まれている正に状況ではなかったか?経済成長は停滞し、所得は上昇することをやめ、コロナによって職場を追わてれしまう。唯一無二の存在であるはずの自分を確認できる状況など皆無に等しいだろう。

カンナミの闘いならぬ闘いは、この閉塞した状況におけるわずかな希望なのかもしれない。

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