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ラスト、コーション (2007)

LUST, CAUTION/色・戒

監督
アン・リー
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4.14 / 評価:778件

解説

日本軍占領下の上海、そして香港を舞台にチャン・アイリンの自伝的短編を『ブロークバック・マウンテン』のアン・リー監督が映画化したサスペンス・ドラマ。1万人のオーディションで選ばれた、女スパイを演じるタン・ウェイは大胆な性描写にも体当たりで臨み、演じ切る。トニー・レオンの完ぺきな中国語にも注目。総製作費40億円をかけた映像美も見逃せない。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1940年前後、日本軍占領下の上海。ワン(タン・ウェイ)は女スパイとしてイー(トニー・レオン)のもとへ送られる。しかし、大臣暗殺を企てる抗日青年との間で心が揺れ動くワンは……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2007 HAISHANG FILMS/WISEPOLICY
(C)2007 HAISHANG FILMS/WISEPOLICY

「ラスト、コーション」嘘の世界とリアルな肉体的性愛を対比させたアン・リーの“問題作”

 すでに開始から5年が経過しようとする戦争の渦中にあって1942年の上海は実質的に日本の支配下にあり、その手先である現政権は抗日運動を企てる自国民に厳しい弾圧を加えている。本作のヒロインは激しい時代の流れの中で抗日運動に身を投じ、女スパイとして弾圧側のスパイ組織のボスに色じかけ(?)で接近、彼の心をつかむことに成功するが、見せかけであったはずの彼らの恋愛がいつしか本物のそれと見分け難くなる……。

 アン・リー監督の最新作は前作「ブロークバック・マウンテン」に引き続き“禁断の愛”を鮮烈な性描写も交えて描く“問題作”だ。たぶん本作で僕らが目撃する性描写は、作戦のための見せかけの恋愛……といった人間の心理的動機の不確かさや弱さを際立たせるために必要とされるのだろう。実際、現政権側の人々によって享受されるブルジョワ的な快適生活は同胞を弾圧し敵国日本の保護を受けてのみ可能な“見せかけ”であり、この映画での上海全てが嘘で固めた世界でさえある。そんな中、ただ男女が裸で渡り合う肉体的性愛のみがリアルな次元にあるのだ。ヒロインとその演劇仲間がいきなり過激な抗日運動組織へと変貌する前半の展開も魅力的だ。彼らはまるで遊戯やお芝居に興じるかのように革命集団になる。40年前に撮られたジャン=リュック・ゴダールの傑作「中国女」での毛沢東に憧れるパリの学生たちのように……。(北小路隆志)

映画.com(外部リンク)

2008年1月24日 更新

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