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マリと子犬の物語 (2007)

監督
猪股隆一
  • みたいムービー 352
  • みたログ 1,450

4.04 / 評価:790件

災害ドラマ ◎、人間ドラマ X、犬ドラマ △

  • r_chan_r さん
  • 2020年2月27日 2時48分
  • 閲覧数 876
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

災害映画としては、なかなか。★5つ。
災害をめぐる人間映画としては、駄作。★1つ。
犬映画としては、犬はひたすら可愛い。★4つくらいかな。

 地震が起こったら、実際こうなるんだよ、という教訓を、子供と一緒に見るのにはとても良い映画でした。実際に机の下に潜らなければ、どうなってしまうのか。電柱や電線はなぜ危険なのか。余震はなぜ怖いのか。どうして家の倒壊で亡くなるケースが多いのか。
 迫力のある映像が、言葉などなくとも脳に刻み込まれます。
 美しい山古志村の実際の映像も数多く出てきて、胸を打ちます。
 自衛隊派遣で救助に来るところまでは、本当にリアリティもあってよかった。

 が、避難所に行ってからの人間模様はもうダメダメです。甘すぎます。現実に災害を体験した人々の気持ちはあんなものではないでしょう。それぞれの家族の、叫び出したくなる事情があるでしょう。
 マリと子犬たちは、あくまで一家庭の一事情のはずです。犬たちが避難所の人々に勇気を与えたエピソードは実際にあったかもしれないけれど、それは、避難所の各家庭の辛い状況や、残してきた牛や錦鯉などを差し置いて、避難所全員が手放しで優先するような話ではないのでは。
 一家庭の犬たちを、避難所全員の犬のように扱ってしまったところが、この映画の失敗ではないかと思いました。
 特に最後、一時帰宅ヘリが戻った時、避難所の全員が、それぞれの家族に駆け寄るのではなく、ただただ犬たちに駆け寄って拍手し続ける演出は、嘘くさく、一挙にリアリティを失速する駄作にしか見えませんでした。
 牛はどうなった!?
 錦鯉はどうなった!?
 自分の家や田畑がどうだったか、まず聞けよ!!

(山古志村が錦鯉や闘牛がさかんな地域であることが、冒頭に美しいシーンで紹介されるのですが、その錦鯉や牛がどうなってしまったか、結局最後まで言及なし。亡くなった人・行方不明者も、1名しか出てきません。いくら子供向けでもそれはないでしょう・・・)

 主人公の女の子の演技も、特に泣く演技は迫力があって圧倒されます。
 が、それも、途中から「また泣くのか」「泣いて勝手なことばかり言って」「その勝手のせいで、みんなが大迷惑」「この子だけ、ひたすら感情を垂れ流し」・・・と、気持ちが冷めてきます。
 じっと我慢し、振り回されるお兄ちゃんが可哀想。

 なので、避難所に入ってからの後半は、どんどんリアリティのない退屈な展開になっていき、最後、犬たちとの再会の場面も泣けませんでした。

 ↑犬たちとの再会場面で泣けなかった理由には、子犬が何ヶ月(?)たっても同じポヨポヨの大きさという、リアリティのなさもありました。子犬なんて、1ヶ月違ったら、体つきも顔つきもどんどん違っていくでしょうに。
 また、「ここでは犬はそういう動作や表情はしないでしょう?」というのも結構あって、その都度現実に引き戻されるので、没頭しきれませんでした。

 とはいえ、演技していないはずの犬たちの演技(!?)は素晴らしく、犬たちは手放しに可愛かったです。

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