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サウスバウンド (2007)

監督
森田芳光
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2.68 / 評価:324件

解説

元学生活動家の父親とその家族を、息子の視点で描く爽快(そうかい)な家族ドラマ。直木賞受賞作家の奥田英朗の同名小説を基に、監督の森田芳光が主役から脇役にいたるまで登場人物たちの魅力を見事に引き出した。家族にいぶかしがられる破天荒な父親を豊川悦司が、そんな夫と子どもを見守る母親を天海祐希が好演。東京から西表島へと居を移し、子どもたちと父親の関係が変化していくさまがさわやかな感動を誘う。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

浅草に住む小学6年生の上原二郎(田辺修斗)は、疑問に感じたことには猛然と盾つく父親の一郎(豊川悦司)を恥ずかしく思っていた。ある日、母親さくら(天海祐希)の発案で、一家は父の故郷である沖縄の西表島に引っ越すことに。島民に温かく迎えられる上原家だが、そこでもまた一郎は観光開発業者を相手に闘うはめになる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) 2007「サウスバウンド」製作委員会
(C) 2007「サウスバウンド」製作委員会

「サウスバウンド」いまや珍獣ともいえる左翼親父にスカッとさせられる

 アクション映画じゃないのに、ハラハラドキドキさせられるとは思わなかった。まずは原作の力だ。奥田英朗の同名小説を映画化した本作は、元過激派親父・一郎(豊川悦司)が、「税金を納めろ」と督促に来る役人や、高額な修学旅行費を請求してきた子供たちの学校、果ては移住先の沖縄・西表島の開発に躍起になっている業者にまで、いちいち楯突く社会派コメディ。家族にとっては問題を引き起こす迷惑この上ない親父だが、右翼化傾向が強まる今の日本において、左翼親父はいまや珍獣であり理想。たった一人で権力者を倒していく暴れっぷりに、スカッとさせられる。

 そんな原作の面白さをギュッとまとめたストーリーはもちろん、手に汗握ったのは他でもない、大人びたセリフに悪戦苦闘している子役や、気合いの入りまくった島民たちの芝居。豊川や天海祐希らプロの役者たちとのリズムの違いに戸惑うが、次第にこれがクセになる。無垢な彼らの存在が、監督歴29年の森田芳光監督の調子をも狂わせたようで、森田作品の特徴とも言える大仰な演出は、今回、一郎が異議を唱える時に言う決め台詞「ナンセンス!」という、その台詞こそナンセンスなシーンぐらい。逆に言えば、森田作品らしさはあまり感じないが、それもまた新鮮。娯楽作として誰もが楽しめる作品に仕上がった。(中山治美)

映画.com(外部リンク)

2007年10月4日 更新

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