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ロンリーハート
2007年11月10日公開

ロンリーハート

LONELY HEARTS

1072007年11月10日公開

kak********

4.0

寂しい女と常軌を逸した女の狭間でもがく男

物語は、監督であるトッド・ロビンソンの祖父が実際に扱った事件がモチーフになっているだけあって、時代考証だけでなく綿密な描写に驚かされる。 事件が凄惨なだけに、猟奇殺人事件を思わせるが動機は意外なものだった。 主演は、「サタディナイト・フィーバー」の鮮烈な印象が忘れられないジョン・トラヴォルタだが、ここでは派手なパフォーマンスは皆無で、心に闇を抱える刑事を好演。相棒役も、TVシリーズ「ザ・ソプラノ 哀愁のマフィア」のトニー・ソプラノ役で知られるジェームズ・ガンドルフィーニ。巨漢を駆使して大暴れかと思いきや、こちらも実に地味な演技で見せてくれる。 共演と言うより、物語の主役とも言うべき役は、「ダラス・バイヤーズクラブ」でアカデミー賞助演男優賞受賞のジャレット・レト。と、「デスペラード」、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」そして「ダイヤモンド・イン・パラダイス」などで情熱的な演技を披露しているサルマ・ハエック。 他でも、父親がジェームズ・カーンで、TVシリーズ「HAWAII FIVE-O」のダニー役で知られるスコット・カーン。父親がブルース・ダーンで、「ジュラシック・パーク」の演技が光るローラ・ダーン。TVシリーズ「メンタリスト」のゲイル・バートラム役で知られるマイケル・ガストン。そして「テラビシアにかける橋」のメイベル役が可愛いベイリー・マディソン。など多彩な顔ぶれが脇を固めている。 この世に”光と闇”があるなら、”闇”の部分を描いた作品だけに全体的に暗いのはやむを得ないが、丁寧な演技と緻密な映像が深層心理を深く追求しているため、事件のむごさは緩和されているのが救いである。 悲喜交々の人生であるからこそ、時には”けじめ”が必要なのかもしれないが、その後に新たな出発が待っているのなら、決して避けては通れない道だと思わずにはいられない。 ラストシーンはそれを象徴するかのように、シルエットが美しく感じられて、この物語の締めくくりに相応しい映像だった。

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