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星ノくん・夢ノくん (2000)

監督
荻上直子
  • みたいムービー 4
  • みたログ 31

3.50 / 評価:7件

荻上直子監督の原点を垣間見る☆

  • Kurosawapapa さん
  • 2011年2月15日 8時32分
  • 閲覧数 390
  • 役立ち度 10
    • 総合評価
    • ★★★★★

この映画は、荻上直子監督が長編デビュー前に、ぴあフィルムフェスティバルで音楽賞と観客賞を受賞した作品。
劇場公開はされていませんが、DVD化されています。

修学旅行で地球にやって来た “星ノくん” と “夢ノくん” は、帰りの汽車に乗り遅れ、2人だけ取り残されてしまいます。
お金も無し、噛んでいないと死んでしまう酸素2倍ガムも残りわずか。
2人は、ちょっと変わった地球の人々と出会いながら、故郷の星への帰還を目指します。

自主制作で画質や音声が今ひとつ、少々素人っぽさも感じますが、
荻上監督の、才能の片鱗を伺わせる作品になっています。 



この作品、とにかく人気(ひとけ)がありません。
田舎道や、静かな公園、花畑、あぜ道、誰もいない海など、、、
そして、たまに猫が登場するのんびりした雰囲気は、監督の後の作品にも通じる部分。

本作の途中で、星ノ君が縦笛で吹く曲、そしてエンディングテーマにもなっているのは、1970年代に放送されたアニメ『はじめ人間ギャートルズ』のエンディングテーマ「やつらの足音のバラード」。
かまやつひろしが作曲した「何にもない、何にもない、全く何にもない、生まれた、生まれた、何が生まれた、星がひとつ、暗い宇宙に生まれた~、、、」というあの名曲。

実にほのぼのした流れです。


そんな中で、
・地球規模では、環境破壊や戦争のことを語り、
・身近な所では、わがままだったり暴力的な人間を描き、
人間の愚かさや、未熟さを露にしていきます。

ちょっと意外だったのは、荻上監督が下ネタや性的部分まで映し出すところ。
(「バーバー吉野」クラスよりちょっと大人の性の部分)

暴力シーンがあったり、自殺願望の青年なども登場し、
荻上監督はこの時はまだ、人間の本質を表現するにあたり、多方面からアプローチしていたのでは、、、そんな印象です。

まあ、性的部分とは言っても、星ノくんの “アノ時の顔” 、最高に笑えるわけですが、、、(^^)


コミカルなシーンや味わい深い会話、軽妙な音楽は独特なテンポを生み出し、僅か68分間ですが、最後まで楽しく鑑賞できます。

異星人と人間との交流によって、浮き彫りにされるのは、
人間が失いつつある彼らの純真と、心の美しさ。

一方、星ノくんと夢ノくんも、人間とはどんな存在なのかを学んでいきます。
わがままでどうしようもなくても、人間も意外と味わい深い存在なのかもしれない、、、

監督が、ほのぼのした雰囲気の中に人間愛を語る部分は、
荻上作品の原点を垣間見た、という感じです。

映画作家、荻上直子としての感性を多分に感じさせる、ハートフル・ロードムービー。
デビュー前ということで、ちょっと甘めの☆4つ!

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • 楽しい
  • 不思議
  • 切ない
  • コミカル
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