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ザ・マジックアワー (2008)

The Magic Hour

監督
三谷幸喜
  • みたいムービー 891
  • みたログ 8,873

3.84 / 評価:3412件

作り物への愛

  • wat******** さん
  • 2017年2月10日 14時43分
  • 閲覧数 1722
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

まずスレ違いコントが面白い。
殺し屋を演じているつもりの役者と、本物の殺し屋のつもりで接する周囲。このスレ違いはよくあるパターンですが、「疑う人間もいるだろう」「本物が知ったらどうなるんだ」という観客の反論を丁寧に汲み取っていくので、観客はそのたびに物語にぐっと引き込まれていくという寸法。1つの危険を解決したことで、更なる危険が…の繰り返し、エンタメのお手本のようでした。
伏線も流石で、特に会計員の使い方は上手い!あそこまでやらなきゃすんなり警察には行かないだろうし、警察に行って一安心と思っていたらそこで更なる展開が。香港マフィアの時、確かに尻切れとんぼ感があったので、回収されて快かったです。のみならず、それがボスが全てを失い結末へ至る伏線にもなっていて、凄い!

とはいえ、危機の乗り越え方や、ボス始め人物達の行動の説得力等はかなりギリギリで、現実にはそううまくはいかないよという部分なきにしもあらずですが、そこで効いてくるのが、いかにもセット的な、しかも日本なのにモノクロ時代のアメリカンシネマを彷彿とさせる街の景色や登場人物達。西田敏行はどうみても「ヤクザ」じゃなく「マフィア」だし、戸田恵子や深津絵里の装いは明らかに古いハリウッド映画。「暗黒街の用心棒」がダメ押ししてきます。寺島進ら手下連中は日本のヤクザだけど、あの芝居がかった物言いは日本映画そのもの。またこれは他の三谷作品もそうですが、BGMも古き良きアメリカンロマコメ風。俳優の演じるデラ富樫がバレないのは、まさにこういう映画の世界だからというエクスキューズとして、それらが作用していると思います。(その証拠にCMスタッフ等別世界の人物は見た目からして現代日本人)
そのエクスキューズに乗れるか乗れないかが賛否ポイントのような気がしますが、私はこういうの大好きです!最初の外観のセットからしてもう、こういう風景大好き!みたいな。(なのでタイトルバックはわくわくしました)
二度ほど出てくる「ここはいい町だ」という台詞、見終わって思い返すと、町も出来事も全てが作り物の、この映画の世界そのものを言っているように感じられます。
見終わった後しみじみいい気持ちになるのは、「制作する事への愛」を感じるからでしょうね。「ラヂオの時間」も「有頂天ホテル」も、「いい映画を見たなー」という幸福感に包まれます。
私的三谷映画ベスト1は「12人の~」2が「笑の大学」3は「ラヂオの時間」ですが、その次に来るのがこの映画です。尤も1、2は監督作品ではないですが…

詳細評価

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