2007年12月1日公開

サラエボの花

GRBAVICA/GRBAVICA: THE LAND OF MY DREAMS

952007年12月1日公開
サラエボの花
3.7

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(72件)


  • pop********

    3.0

    無題

    レビューはまだ投稿されていません。

  • ひろかず

    4.0

    ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の深い傷跡

    他の方もレビューしているように、この作品はボスニア紛争に関してある程度知った上で鑑賞することをお勧めします。 私は、ほとんど知識がない時に一度観てよくわからなかったのですが、改めて紛争のことを調べてから「そういうことだったのか。。。」ともう一度観ました。 紛争の傷跡と一言で言ってもそこには沢山種類があって、その中の一つではあるけど大きな傷を背負って生きていかなくてはいけない女性。子供が傷の一種であるという紛争の悲惨さ。 深いくてよい作品だと思います。

  • そないどない

    5.0

    大切にしたい映画

    この映画に感動を期待したわけではない。 ただそこにいる人たちの葛藤を知りたかった。 傷付いて傷付けられて、それでも生きていかなければならない。 そんな現実を描き出した、素晴らしい映画だと思う。 ずっと心の奥底に残っていく。 このような映画が、少しでも評価されることを願うばかり。

  • 一人旅

    5.0

    ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争

    第56回ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作。現在の日本では想像もつかない、同じ国の人間同士が殺し合うという悲惨な内戦。多数の民族と宗教が入り乱れるバルカン半島だからこそ起こってしまった事件なのかもしれない。この作品の時代設定はおそらく製作年と同じ2006年。内戦はとっくに終結してるし、サラエボの街もとても静か(イメージ通りの東欧)。でも、主人公の母親の背中には内戦中にセルビア人から受けた傷跡が残っていたり、娘には明かしていない“ある秘密”を抱え時々一人うずくまって泣いてしまう。きっと内戦での一連の出来事は死ぬまで忘れられない。それでも最愛の娘と共に生きていかなければならない。戦争は憎しみや悲しみ以外何も生み出さないことを改めて痛感した。

  • aka********

    5.0

    それでも生きていく

    ここでの評価は高くないのですね… 私はすごく感動したし大好きな映画です 特に日本で生まれ育ったら民族紛争とかあまりにもかけ離れ過ぎだしこの映画の内容なんて別世界の出来事のようで、入りこめと言う方が難しいのでしょうが 自分は戦争を経験したこともないし母親になったこともないですが、ある程度ユーゴスラビアに興味を持ってから観たので少し入りやすかったのかもしれません 内容が衝撃的で主役の女優2人が素晴らしいのもありますが、こんな自分でもとにかくいろいろ考えさせられ心が揺さぶられる映画でした

  • すけきよ

    2.0

    主題とのズレ

    サラエボの抱える様々な問題は理解できるが,映画としてそれを伝えきれていない。 ひるがえって,母と子の物語を主題としているのであれば,これはこれで,ストーリーの展開がどうも稚拙であり,起伏にかける。つながりが良くない。 何を伝えたかったのかがもう一つ見えてこない作品。

  • pan********

    5.0

    ようやくジェンダー視点で描かれた旧ユーゴ

    民族浄化・・・ 「浄化」といいながら、その実態のおぞましさを知ると、 つくづくコトバを理解すること、使い方の重要性が身にしみる。 旧ユーゴの紛争で、数多の男たちが虐殺された。 女たちはレイプされ、強制妊娠させられた。 なぜか? 混血児を産ませることで対立する民族の純血を攪乱し、減少させ、 その民族の団結力を弱体化させる。 ダメージは女たちだけにとどまらない。むしろ男たちを標的にしている。 自分たちの民族の女性が汚されてしまったという絶望感を男たちに与え、 戦意喪失を狙ったものだからだ。 絶望感から自暴自棄に陥った者の中には、母、妻、娘、姉妹らを自ら 手にかけた者も出てくる。それを意図している。 それもこれも、双方に「女は男の所有物」という意識が根底にあるから にほかならない。 民族対立の悲劇、母と娘の対立から交感を表層におきながら、 この作品は鋭いジェンダーの視点を有している。 『ボスニア』『パーフェクトサークル』『ウェルカム・トゥ・サラエボ』 から10年、ようやくこの問題に正面から取り組む映画が作られた。 1996年制作の二つのドキュメンタリーを見ることをオススメしたい。 ジュリア・オーモンドが制作の指揮をとった『コーリング・ザ・ゴースト』、 そしてシェリー・セイウェル監督作品『戦場のレイプ』。 これを計画、準備、実行した者たちは犯罪者として処罰されなければならない。 紛争地に「ありがち」なこと、「しかたない」こととして放置することは、 「やり得」「逃げ得」を認めることになる。それは断じて許してはならない。 裁きという責任追及、正義が実践されることではじめて、被害者に対する癒し (完全ではないにせよ)になるのだと思う。 そのことをテーマにしたのが、公開中の『カルラのリスト』だ。 こちらも見ておくべき作品である。 翻って、私たちは日本の過去をどう問い質してきただろうか。 慰安婦という名の性奴隷システムを、アジア侵略を。 批判を「反日」と呼んで封殺しようとする姿勢はまだまだ強い。 私たちにとって『サラエボの花』は旧ユーゴ紛争のために引き起こされた 母と娘の悲劇の物語にとどめてはいけない。 在りし日の日本であり、それと正面から向き合おうとしない今の日本に 対する問いかけでもある。作品の閉じられた時間と空間に限定せず、 わがことに引き寄せて考える。映画を観るとは、そういうことだと思う。

  • victor

    5.0

    敵憎しの感情を押し殺して生きる苦しさ…

    この映画を見終えて「夕凪の街、桜の国」を観て感じた事の復習をさせてもらったような気持ちになりました。 ユーゴ内戦後のボスニアのとある母子家庭の数週間に起こった出来事を描いた映画ですが、全編通じて映される事のない戦争…しかし、それによって残された“消える事のない痛み”が背景にはっきりと映し出されています。 ボスニアにおける民族浄化の史実やサラエボが舞台である事、映画の中で垣間見るイスラム的な雰囲気から主人公の女性はボスニア人なのだろうとは思いますが、「自分はナニ人で、悪いのはナニ人なのか?」という民族間の問題はこの映画ではあまり重要な事として捉えられていません。(言葉が分かる人、事情に詳しい人はすぐ分かるのだと思いますが。) 主人公の母親と娘との数奇な親子関係は戦争さえなければ生まれる事のなかった親子関係ですが(詳しくは映画で)、母は娘の為に必死で修学旅行の費用を捻出する為に奔走し、心から娘を愛している姿(というよりも“子供という弱き存在”を守る使命感に溢れる母性が描かれているのかもしれない。)が痛々しい程、見事に映し出されています。 そして出生について娘に伝える時が来るのですが、母にとってその事を語らなくてはいけないという行動がどれだけツライ事であったか…その心理を汲むと戦争行為が犯した罪の重さが観る者にグンッ!とのしかかります。 映画はフィクションですが、この映画のような苦痛を味わった人の存在はノンフィクションである事に、人間として、男として、相当に厳しい問題を突き付けられた思いがしました。 戦争の罪深さを世間に伝える為に女性の視点から製作された映画や本は、現実的観点に優れたモノが多く、戦争というモノが誰もが持つべきありふれた日常を送る権利を脅かす脅威の存在である事をつくづくと感じます。 世界平和を願う、一人でも多くの方に是非観て頂きたい映画です。 ここからは映画の内容とは全く別の話になりますが、いちサッカーファンとしてはユーゴ内戦にまつわる話を聞く度にどうしても言いたくなる事があります。 旧ユーゴ内戦で各民族が分裂していった時代に、皆さんご存じのオシム監督率いる旧ユーゴスラビア代表(当時のエースはご存じストイコビッチ。)が史上最強の時代を同時に迎えていた事が本当に残念でならない。 90年イタリアW杯のユーゴ代表や翌年のトヨタカップでのレッドスター(旧ユーゴのクラブ)を観た者なら誰もが、92年の欧州選手権ではユーゴの優勝で決まり!と信じ、その圧倒的な戦力の躍動とオシムのエレガントなサッカーを本当に楽しみにしていたと思う。 当時はテレ東系列の週に1回、ダイヤモンドサッカー位でしかユーロの試合を見る事が出来なかったが、その僅かな機会を本当に心待ちにしていた。 制裁による欧州選手権への参加資格はく奪の記事を見た時、開催国スウェーデンから強制帰国させられた選手の心中を想像して、自分も涙した事を今でも憶えている。 もし90年代に内戦が起こらず共和国同士の調和がとれていたならば、90年代のサッカーの国際大会のタイトルはユーゴが総なめにしていたのではないか…事ある毎にそんな事ばかり考えてしまう。 それ位旧ユーゴにはスター選手がワンサカ居たし、そんな選手達からの人望を一身に集めていたオシム前日本代表監督は本当に、本当に偉大な人物である。 後年に発刊された、その頃の生々しい出来事や関係者の心の変遷を伺い知る事が出来る「オシムの言葉」は私にとって感動の一冊である。 共和国が散り散りに分裂し、コソボまで国として独立しようとしている今となってはもはや再現不能だが、旧ユーゴのサッカー選手が一同に会してひとつのチームとして戦う姿を1試合だけでもいいから見てみたい… もちろんその時はイビチャ・オシム監督で。 …以上、この映画の主題とは全然関係のない感慨なのですが、この映画を観た後もやっぱり…この事をまた思ってしまった。

  • kon********

    4.0

    歴史を知らないと面白くも何もない

      あまり面白くもない映画でした。理由ははっきりしていて、映画の舞台になっているその国の事情をまったく知らなかったと言うことです。その国の人々やその国のことを知っている人々には、ストーリーが展開して行く内に、ヒロインの過去に何があったのか、次第に予想を濃くさせるものがあるだろうし、映画の進行とともに現れて来る濃密な感情を伴うものがあるでしょう。何も知らない私は、それぞれの場面や会話が見せているもの、あるいは暗示しているものに何の反応も起こさず、だから、それらは単に死んだ伏線としてしか働かないわけで、最後の彼女の発言は唐突なものにしか感じられない。しかし、この映画がわかる人間には、彼女の告白は満を持したその時の事実の噴出だったはずです。   映画を見終わって帰宅した後、公式サイトの簡単な記述を読んで、なるほどそういう事になっていたのかと、そう思うのが私の場合なんですね。この時点に立って映画を反省しようにも、すでに心に感じることなくやり過ごしてしまったそれぞれのシーンは記憶の外のものになっていて、映画を味わうには同じ映画館にもう一度足を運ぶしかないという、そんな………。   冒頭での娘とふざけ合っていた彼女が、娘に押さえ込まれて、そこで怒ったりする場面にも含まれている何かがあったのかも知れないし、酒場の用心棒との間のやり取りや、その他にも、さまざまな事があったのだろうと、こんなふうに思うだけで。   ―――という個人的な経験の話でしかない、何の意味もないようなレビューですが、意見としては、予習なしに見に行くと単に陰気で辛気くさい物を見るだけだから………、ということです。 

  • mai********

    4.0

    2人に訪れた真の平和…

    今までは嫌いだった歌。 バスの中の皆の合唱… 今までは孤独だった… でも、 母親の愛情に心を満たされた少女は、もう孤独ではなかった。 素直に笑える… 少女はいつしか、笑顔で歌っていた… 命より大切なものがある… 人は、そう言って戦いを始める。 こころざし… 誇り… でも、 命以上に大切なものはない… 人は、そう言って戦いをやめる。 家族… 友人… 紛争のニュース。 空爆のニュース。 どことなく、他人事で聞いていました。 ブランコ・シカティック。 K-1創成期のファイター。 クロアチアの英雄である彼もまた、戦いに身を投じた戦士。 友を家族を守るために… 民族の独立… 自分たちの国がある。 何物にも変えがたい、プライド。 だが、そのために支払った代償は…何だったのか… 守るべきものを失い… すべてを傷つけてしまった。 その結果…この作品のような親子を生み出した。 母親の受けた屈辱…恥辱… 憎しみの象徴であるはずの娘。 だが、手放さないという… 抑えきれないほどの憎しみ 夢や希望を持つことが出来ない日々… その中で、自分が生んだ命の成長は… 混沌とする心の中で、一筋の光だったのかも… 戦争の犠牲… いつでも力のない人に及ぶ… こころざしや誇りを訴える人に言いたい。 あなたの誇りの犠牲になる人が、どこかに必ずいるんだと。 その人を、あなたは守ることが出来るのか? その人こそ、あなたの言う誇りなのだよ…

  • har********

    5.0

    紛争の予備知識はあった方がいいです。

    近所のシネ・リーブル神戸で 「ベルリン映画祭・カンヌ国際映画祭・東京国際映画祭で、 グランプリ・審査員賞等を受賞した 3作品が公開となります。 そこで、シネ・リーブル梅田/神戸では下記3作品をご鑑賞いただいた方の中から 抽選で素敵なプレゼントをご用意いたしました!!」 というキャンペーンをやっていたので、ついつい2ヶ月間無料チケットが 欲しくてこの映画を観に行きました。 僕はふだん、ハリウッド映画に代表される娯楽作品をよくみます。 CGをごりごり使っていて、すっごいわかりやすいストーリーが好きです。 なので、今作の「サラエボの花」のような社会性・メッセージ性の強い 映画を観ることはまずないと思います。 ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争に関する知識もほぼゼロでした。 1992年から1995年まであった、第2次世界大戦以降ではヨーロッパで最悪と言われる 戦争だとは全然知りませんでした。知っていたのは戦争の名前だけです・・。 上の知識も映画を観て、家に帰ってきてから調べたものです。 この映画を観るなら、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の予備知識を持ってからの方が 良いと思います。というか、僕みたいに予備知識ゼロで行く方が珍しいのかも・・。 この映画の原題である「Grbavica」というのは、その戦争の中でも 特に激戦地だったサラエボの地名を指します。グルバヴィッツァ地区です。 サラエボは、位置的にはイタリアのちょい右です。 そこで行われた兵士による悪行の数々が、12年たった今でも市民の大きな心のしこりに なっているというバックボーンがこの映画にあります。 ここを知っているのと知っていないのとでは、この映画の観方が全然違うと思います。 僕は知りませんでした・・。あぁ、無知ってこういうときにいけませんね。 無理やりに置きかえるなら、広島・長崎における原爆被害を映画にして、 世界各地で、「広島・長崎ではこんな大変なことがあったんだよ。」というのを みんなで忘れないために上映しようということを、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争でも やったということでしょうか。 旧ユーゴスラビア出身のオシム監督も「この映画はできるだけたくさんの人に観てほしい」 と映画の公式HPに寄稿しています。 この映画は、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を知るきっかけになる良い映画だと思います。 セルビア人とボシュニャク人・クロアチア人があまり仲が良くないということも 事後学習で学びました(苦笑)。 まあ、僕は冒頭でも書きましたけど、ハリウッド映画のようなわかりやすくて スカッとする作品が好きなんです。ただ、この「サラエボの花」のような 何かの勉強になるような映画もたまにはいいかなと思いました。 作品自体はとてもきちんと作られています。 監督がサラエボ出身なので気持ちが入っているんでしょうね。

  • toy********

    2.0

    歴史を学ぶ必要性

    この映画を見る前にある程度の背景知識があれば それなりに観ていくことができますが 知識がないと難しいです すごいあっさりというか ふーん、そういうことか。想像通り。 ってかんじでした。

  • pin********

    2.0

    期待していたんですが

    ボスニア紛争が背景です。 どうやら、この主人公の女性は大きな傷を抱えているらしい。 傷の理由は、物語の最初から気づいてしまうけど、 どんな感動的な結末なんだろうと期待していたんですが、 アッサリしていてややわかりづらく、私には胸にくるものがありませんでした。 唯一、親子のやり取り(ピストルのシーン)は盛り上がりがあったけど 親子の心情もわかりづらかったです。

  • ms1********

    3.0

    それゆけ!アルバトロス40

    はじめに:この映画は『女子高生チェーンソー』『チアリーダー忍者』等、一部の人に絶大なる人気を得ている(?)超B級映画を出し続けているアルバトロス社の配給です。 ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都サラエヴォ。そこは90年代に起こったボスニア紛争の爪あとから立ち直ろうとしている土地。 そこで娘のサラと二人暮しをしているシングル・マザーのエスマ。 収入は少なく、エスマは深夜遅くまで働きながらセラピーを受けていた。まだ12歳のサラは母が留守がちなことから寂しさを募らせていく。 ある日、サラはクラスメイトのサミルと喧嘩をしてしまうが、「父親が紛争で亡くなった」という共通点から次第に親しくなっていく。 エスマから、「父親は殉教者」と教えられており、サラ自身もそれを誇りに思っていたが、学校の修学旅行がきっかけで父親の死に疑問を持ち始める。 父親の戦死証明書があれば旅費が免除されるので、エスマに証明書を出すようせがむサラ。 しかし、その証明書を出そうとしないエスマ。 証明書を渡してくれない母に不信感を募らせていくサラに、クラスメイトが「戦死者リストに父親の名前が無い」とからかう。 耐え切れなくなったサラは、サミルから預かった拳銃でエスマを脅し、真実を教えて欲しいと迫る。そして、エスマは隠し続けてきた過去の秘密を話してしまう……。 以下、ネタばれあり。 娘に詰め寄られたエスマは、長い間心の奥に封印していた秘密をサラにぶつける。 サラの父親は、知らない。 なぜなら、収容所で敵の兵士にレイプされて身籠もった子供だからだ。 その後のセラピーで、エスマは涙ながらに自分の過去を語った。 エスマは何度も流産しようと自らの腹を殴った。 それでも腹は大きくなり、兵士達によるレイプも続いていた。 そして病院で出産。 「こんな子は要らない!」と叫んだエスマだったが、自分の子供を腕に抱いて、 「こんなに美しいものがこの世にあることを忘れていた」と思ったのだ。 この本作の根に張るボスニア戦争の強制収容所での強姦は有名な話であるらしいが、 戦争、紛争で女性が性的虐待を受けないことはまずないそうだ。 それはつまり、今も毎日、ということだが。 その多くは最前線で死を意識した男が種を残そうとする本能的な欲望だが、 同時に敵の女を妊娠させ、産ませることによって自分たちの血を混ぜ、 同化させようとする理由もあったそうだ。 結局、戦いによって一番被害を受けるのは直接戦争に参加していない人間達だ。 そしてそれは日本も同じ事。 第二次世界大戦後の満州から引き上げた女性の中には、強姦されて身籠もった者が多くいたそうだ。 そして博多で数百人の女性が中絶手術された。 日本にやってきたGHQも数万人という日本人女性を強姦したらしい。 しかしそれは表沙汰にはなっておらず、教科書にも載っていない。全て封印されている。 エスマの涙ながらの告白は、見ていて痛々しいほどだった。 集団強姦を受け、妊娠しつつも強姦され続け、子供を産む。 それがどれほど辛いことだったのかは、はっきり言って想像も出来ない。 どれだけ悩んだだろう。 どれだけ苦しんだだろう。 それでもエスマは母親になることを決めた。 ぶつかり合っても、血の繋がった親子。 そしてラストシーンに、母と子の絆が見える。 でも正直、あまりいい気分になる映画ではない。

  • bon********

    4.0

    静けさと、残酷さと、希望と。いい作品です

    ボスニア・ヘルツェゴヴィナで起こったことは、すさまじいことなのですね。遠く離れたファーイーストの私には、ヨーロッパ辺境の民族紛争で、凄惨なことが行われていたことは知っていましたが、、、。その後多くの映画でこの戦いのことが繰り返し現れてくるたびに、あるいは飽くことなく語られること自体に、傷の深さを感じさせられるのです。 この映画もその傷の深さを正面から描いた作品でした。それも現地の物語で。 一応の終結から10年以上たった今、その傷が「癒される」のではなく、「直っていきつつある」ような映画です。癒されるでは甘すぎます。生き物として、どうにかこうにか直っていくしかない。そんな感じが痛々しくも感動できる作品でした。 ヤスミラ・ジェバニッチ監督の静かな語り口がとてもよかったです。エスマとベルダの静かな愛情?も、サラの若さもよかったです。本当に恐ろしさを知った人たちだけが持つような、静けさ。大きな声で勇敢そうに語る人たちはいかさま。です。何とか「直って」行こうとする心が静かに、でも強く伝わってきました。 冬のサラエボの映像も素晴らしかったです。路地のサラとボーイフレンドのシーン、高台でのエスマとベルダのぎこちないシーン、ラストの修学旅行に行くサラを見送るシーン、素晴らしいシーンがいっぱいありました。 ウィンターボトムのちょっとヒューマニズムな作品よりもいいかな、「あなたになら言える秘密のこと」もすごく良かったけど、こっちがいいかな?とかとかボスニア紛争がもたらしたさまざまな映画も思い出しました。 この映画のように、時が流れ次の世代へ希望のようなものがしこしずつ見えてくることを祈って。そしてこんないい映画を作ったジュバニッチ監督に拍手。そして日本で上映・配給してくれたエキプ・ド・シネマに感謝。です。

  • nat********

    5.0

    ネタバレ歴史性を絶つことは可能か

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • noh********

    5.0

    現実に今、世界のどこかで。

    ボスニア紛争が終結して十数年。 サラエボに住む一人のシングルマザー。 彼女が子供の修学旅行の費用を工面する姿が描かれた作品です。 作品の内容としてはこれだけなんです。 けど・・・・・。 「ボスニア紛争」。 民族と宗教が複雑に絡んだ紛争。 死者は約20万人。難民は200万人を越えました。 そして、セルビア人が他の民族に対して行った「民族浄化」。 原題の「GRBAVICA(グルバヴィッツァ)」。 サラエボ中心街から西に位置する地区の名前。 そして、セリビア人によるムスリム人への迫害があった地区でもあります。 (セルビア人は多くのムスリム人女性に対して「民族浄化」を行っています)。 紛争の犠牲となった彼女の現在。 生まれてくる子供には罪はない。 けど、肉体的にも精神的にもとても耐えられない傷を受けた彼女。 子供を見る度に彼女はどう感じていたんだろう。 彼女の口から事実が語られるシーンがあります。 見ていて、つらく、しんどくなります。 とても苦しくて・・・・胸が痛みました。 暴力や紛争、回想のシーンはいっさいありません。 彼女をはじめ、懸命に生きる人々の日常が描かれています。 でも、それらがかえって彼女を始め多くの人々に与えた傷の深さを強調しているように感じられました。 補足。 この作品の公式HPには、サッカー日本代表の監督を務めていたオシムさんのメッセージが掲載されています。 (涙なしには読めません)。

  • jun********

    4.0

    戦争の傷跡はあまりに深く…

    ボスニア紛争後のサラエボ。 戦争の傷跡はあまりに深く… 母親は今までどんな想いで娘を育ててきたのか。 それを想像しながら観ると、涙が途切れることがありません。

  • kla********

    4.0

    悲しみの先にあるかすかな希望

    一瞬画面に現われる母の背中の傷跡。 その傷を見た娘に、きっとこう言われたに違いない。 「おかあさん、その傷どうしたの?」 本当の理由など口が裂けても言えず、言い訳しなければならない苦々しさ… 忘れたくても忘れられない生地獄のような出来事… 忌まわしい記憶… わが子を憎しみの向所としなければならない重たい現実が、母親をどこまでも憔悴させてゆく。 同時に自らに鞭打ち、我が子の幸せのため懸命に奔走する母の姿がなんともやるせない。 やがて出生の事実を知らされる娘… そして激しい慟哭… 娘が頭を丸刈りにする場面はかなり衝撃的で、目を背けたくなるほど痛々しい。 しかしそれは過去に決別し、生まれ変わろうとする精一杯の“生きる証”でもあるのだろう。 たとえ過去に何があろうと、かけがえのない存在であることに変わりはない親子の姿に、かすかな希望を託そうとするラストシーンが秀逸。 ボスニア紛争後のサイドストーリーとしてぜひ見ておきたい作品だ。

  • agu********

    4.0

    紛争の傷は簡単には癒えない。

    紛争後のサラエボを描いた作品。 たとえ紛争が終結したとしても、人々の心に中に 紛争の際の出来事は深く刻まれている。 それが次の子供たちの世代にも引き継がれていく。 それにしても主人公の女の子の出生の秘密は非常に びっくりな内容でしたが、実際こういったことは 多々あったのでしょう。 東欧系の映画は雰囲気が非常に好きです。

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