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実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)
2008年3月15日公開

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)

1902008年3月15日公開

kaz********

3.0

暴力で革命はなしえない

これはおぞましい映画だ。極左過激派に近いと聞いていた若松孝二監督作品。あさま山荘事件に至るまでの連合赤軍の足取りを克明に描いていているが、どんな立場で映画化したのかわからない。ただ単に銃を手に取るだけで世界革命戦争ができるほど甘くはない。こんな馬鹿なことを考えていた連中がいたことが全く信じられない。仮に警察を銃で殲滅しても、その後ろには大砲・ミサイルを持った自衛隊という軍隊が存在していることを忘れている。  軍事訓練を始めてからあさま山荘にたどりつくまでの長いこと長いこと。その間、『総括』と『共産主義化』の名のもとに、仲間を凄惨なリンチで殺していくリーダーたちはおよそ革命家ではなく殺人鬼そのものだ。リーダーの意に沿わない出来事に『総括』を迫り自己批判させる。例えば、武器の傷を見落とした部下に「敵の攻撃から組織を危険にさらした」と難癖をつけたり、化粧をしている女性組織員を「革命の意識がたりない」と自己批判を迫る等々。これでは革命どころか組織崩壊を自ら進めているようなものだ。  「1960年代に平和と他者の幸福を願う若者たちがいた。ただその行動の反社会性のため社会の闇に葬られた」「ただ思いつき思い込みで動き、消費に明け暮れる怪物ーー『大衆』こそが撃つべき相手(清水節)」と若松孝二監督のメッセージを解釈するのは違うのではないか。撃つべき相手はやはり国家であり、国民の支持のもとに議会制民主主義を貫徹するのが革命への道だろう。

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