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ぐるりのこと。 (2008)

監督
橋口亮輔
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3.97 / 評価:1060件

日本映画を観ない人にこそ観て欲しい傑作

  • ポルティ さん
  • 2020年3月15日 22時10分
  • 閲覧数 1274
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

いやもう素晴らしい。本作に出会わなかったら映画ファンとして一生を終わるのを後悔すると感じずにはいられない傑作である。
リアルな会話と自然な演技が完璧に融合し、画面からほとばしる傑作オーラが半端ない。これほど総合的な完成度の高い日本映画はなかなかないだろう。
原作のないオリジナル脚本というのがまた良い。

これが本格的な映画デビュー作となったリリー・フランキーだが、いきなり天才的な演技力で大いに驚かせてくれる。本作で彼を「発掘」できたことが最大の功績と言ってよいかもしれない。
それにも増して絶品なのが妻役の木村多江。特に物語後半のリリーと喧嘩した後に見せる5分ワンカットの泣き演技の成り切りぶりは本当に凄い。今まであまり意識しなかった女優だったが、この作品で完全に脳裏に刻まれた。
このふたりは全編出ずっぱりだが、やりとりが演技くさくなく、まるでこの夫婦の生活をのぞき見しているような自然さを感じ取れるのが素晴らしい。際どい下ネタも実際の若夫婦ならそういうのも日常的にアリだろうということで、セリフというより肉声のような会話のリアル感を楽しむ要因となっていると思う。
「ちゃんとせんでええから傍にいて欲しい」まさしく夫婦とはそうありたいものだ。
登場人物は多いが橋口監督の手腕で全員のキャラが立ちまくっているし、役者陣も皆んなが迫真の演技で応えている。寺島進、安藤玉恵の兄夫婦も良い味だし、ワンシーンだけながら片岡礼子の見事な演技は必見だ。

本作と次作となる「恋人たち」を観れば、橋口亮輔監督がどれほどの才能の持ち主かが明確にわかるはず。発表作のクオリティの高さと長編映画は30年で5本しか撮っていない寡作ぶりからも、彼こそ「和製ビクトル・エリセ」というにふさわしいと思う。
これは普段日本映画を観ない人にこそ観て欲しい。きっと日本映画への偏見がなくなくなるはずだ。

詳細評価

物語
配役
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